考証 福島原子力事故 炉心溶融・水素爆発はどう起こったか の商品レビュー

石川迪夫(著者)

2015/10/15

福島第一原発での炉心溶融、水素爆発事故がどのようにして起こったのかを詳細に、論理的かつ具体的に示した、恐らく世界で唯一の本だろう。

この本が現役世代ではなく、原発第一世代である齢80に届く著者によって書かれたことに畏敬の念を禁じ得ない。

福島同様の事故が発生しても、電源さえ確保できれば対応できる、万が一電源を喪失しても機械的な仕掛けにより1日程度は燃料棒の冷却は可能であり、その後のベントと注水のタイミングさえ誤らなければ2号機、3号機の炉心溶融は起こらなかったという知見は、今後の原子力運営に必須のものだろう。

本邦の原子力関係者は、報道関係者や政治家、官僚を含め、この本の知見を世界中に広める最大限の努力をしなければならない。

2014/11/22

推進派のハードル低っ！ある意味必読の書

原子力安全工学者の福島原発事故に関しての論考なのだが
その危機管理に対してのハードルの低さに驚愕させられる。

引用＞
「人間は原子力を制御できない」が、間違いであることを実証して見せてくれたのです。電気さえあれば、原子炉は人間の手で制御できます。

バカなのでしょうか？
「一旦電源が落ちちゃっただけで超ヤバイことになるんよねー」
と心配されてるのに
「電源さえ落なければ安全なので安心しなさい」
とか、ループしてんじゃねーよ！ループになってないし

他にも
「NHKとかの、メルトダウンの燃料ドロドロのCGはウソ！あんな風にトロトロには流れ落ちてません！だから安心して下さい！←ああいう風には流れ落ちてないが、メルトダウンはしてます(*'∀｀*)
とか、木を見て森を見ず的？バカトークのオンパレード。
あとはひたすら民主党をdisっていればいい簡単なお仕事です(*'∀｀*)

こんなレベルの危機意識の持ち主が音頭をとってたんなら、そりゃ原発も爆発しますわ。

フランス原発の安全審査関係者？の著書
「ありえないことが現実になるとき―賢明な破局論にむけて」
なんかと読み比べると、
危機管理というものに対する意識のバリエーションって豊富やね～＼(^o^)／
とかなー