キッド・ザ・ラビット の商品レビュー

東山彰良(著者)

2014/12/10

「ジョニー・ザ・ラビット」続編。今回は息子のキッドが活躍します。そしてなんと今回のジャンルは、腐臭漂い、血沸き肉躍る圧巻のゾンビ小説！……兎ですけどね。
とにかく全編ハラハラドキドキ。敵はホッピング・デッドだけとは限らず、さまざまなものとの闘いを強いられるキッドたち。このあたりはまったく王道のゾンビホラーの体裁です。
さらにそこに絡んでくる、とある「呪い」の物語と、ジョニーに繋がる因縁の物語。残された時間が少ない中、彼らがたどり着いた結末。読後感はひどく穏やかで温かなものでした。ペパーミント・ベアーの物語が特に感動的だったかも。
……あれ、だけどまたしても新たな呪いは始まってるのか！