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〈5〉のゲーム の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2024/01/04

オーストリアの作家「ウルズラ・ポツナンスキ」の長篇ミステリ作品『〈5〉のゲーム(原題:Funf)』を読みました。 「アンドレアス・グルーバー」、「シュテファン・スルペツキ」に続き、オーストリアミステリです。 -----story------------- オーストリアのザルツブ...

オーストリアの作家「ウルズラ・ポツナンスキ」の長篇ミステリ作品『〈5〉のゲーム(原題:Funf)』を読みました。 「アンドレアス・グルーバー」、「シュテファン・スルペツキ」に続き、オーストリアミステリです。 -----story------------- オーストリアのザルツブルク近郊の牧草地で、女性の他殺体が発見された。 遺体の足の裏に彫りこまれていた座標が示した場所には、切断された片手と、人探しを指示する奇妙な手紙があった……。 不可解な事件に挑むことになったのは、州警察の刑事「ベアトリス」と「フローリン」。 二人はとぼしい手がかりから犯人を追うが、犯人は警察の裏をかき、ついには「ベアトリス」に直接呼びかけてくる。 ドイツ語圏で20万部を突破したオーストリアのベストセラー・ミステリ! ----------------------- 2012年(平成24年)に刊行された作品でザルツブルク州警察殺人課の刑事「ベアトリス・カスパリー」を主人公としたシリーズの第1作… 『ジオキャッシング』というGPS/GNSSを利用した地球規模で行なわれている宝探しゲームが重要な鍵となる連続殺人ミステリです、、、 ウィキペディアによると、2017年7月現在、有効なキャッシュは世界に300万個以上設置されており、ゲームの参加者数は全世界で600万人以上とのこと… 本作品で初めて知りましたね。 オーストリア・ザルツブルク近郊にある牧草地で、女性の他殺死体が発見される… 死体の足の裏には奇妙な数字が彫られていた、、、 それが、緯度と経度を示す座標であることを知ったザルツブルク警察殺人課の刑事「ベアトリス・カスパリー」は、同僚の「フローリン」とともに座標の示す場所に向かう… そこには、容器が隠されており、中には切断された人間の片手と「歌手を探せ」との手紙が入っていた。 さらに、その歌手の生年から新たな座標を導き出す方法が書かれていた… 手紙は殺された女性の筆跡だった、、、 同僚のひとりでジオキャッシングが趣味の「シュテファン」が、事件とこのゲームとの相似に気付く… 「ベアトリス」たちは苦労して歌手を探し出すが、得られた座標の場所には、新たな容器と手紙があった。 犯人の目的はなんなのか… 最初に死体で見つかった女性、切断され容器に入れられて見つかる体の持ち主、それに手紙で次々に指示される、探し出すべき人物、、、 彼らの間にはどんな繋がりがあるのか… 謎はどんどん複雑に絡まっていく。 そしてあるとき、「ベアトリス」の携帯電話に、犯人から謎のメッセージが――。 動機となったのは過去の忌まわしい事件でしたねー 被害者にとっては絶対に許せない事件でした、、、 真犯人が次のターゲットを探すために警察を利用したり、被害者と思われた人物が加害者だったり、終盤は「ベアトリス」が犯人に捕らえられ危機一髪の状況に陥ったりと、最後まで興味を惹きつけられて飽きずに読めました… でも、約600ページですからねー できれば400ページくらいで、コンパクトに巧く纏めてほしかったですね。 「ベアトリス」を中心に、理解のない上司との軋轢や家族との葛藤、同僚への淡い恋心等、登場人物が等身大で描かれているのも良かったですね…  「ベアトリス・カスパリー」を主人公としたシリーズは、2015年(平成27年)までにオーストリアでは3作が刊行されているようです… 日本では知名度が低いようですが、ぜひ、翻訳してほしいですね。

Posted byブクログ

2020/01/25

地図を追う宝探し的ゲーム(スポーツ?)の文化が気になったのと 「秋の夜長にオススメの一冊」と帯に書かれてたので読んで見た。 人に勧めるほどオススメではないが 主人公や仲間のサクサク捜査を進めていく感じと 犯人の意図とか、トリックが結構印象に残るものだったので楽しめた。

Posted byブクログ

2017/02/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

オーストリアってどんなイメージですかね。私はオペラとウィンナコーヒーです。マジ貧相ですみません。。 ある朝見つかった女性の変死体の足の裏には,奇妙な英数字が彫られていた。犯人からのメッセージなのか?刑事のベアトリスとフローリンは,巧妙な犯人の残すメッセージに翻弄されながらも,次々と増え続ける被害者のつながりを探していく。しかし犯人はベアトリス個人にも関心をもちはじめて・・・。 とまあ,こんな話なのですが,シングルマザーのベアトリスが子育てやら前夫やら親兄弟やらとの関係に悩みつつ犯人に迫っていくというのがリアリティがあってよかったです。 そしていつの間にかベアトリス自身が犯人の標的になってしまうのですが,そのあたりの,「うわー,やばいこれ!やばいって!」っていう予定調和な感じもがっつり楽しめてよかったです。教訓は男(弟)のおしゃべりは百害あって一利なしってことですな(謎)。 犯人自体は結構わかってしまうと思うのですが(明らかに不自然な事件が起きるので・・・),「なぜ犯人はメッセージを残すような,危険かつ回りくどいことをしたのか」という点がしっかり明かされていたところが高評価です。 そして,元ネタになっているジオキャッシングというゲームですが,実在のゲームなんですね。知らなった。というか,ポケモンGoですら立ち入り禁止区域に入り込む人が続出したりして社会問題になる昨今,日本でこんなゲームできるのか?と結構疑問なのですが。ちなみに著者もはまっているゲームなんだそうです。 読み終わってみたら面白かったし,続きもありそう(ベアとフローリンはどうにかなるのか??)なわけですが,あまりオーストリアという国のことはよくわからなかったという。いいのかこれで。

Posted byブクログ

2016/07/19

事件は「ジオキャッシング」というゲームに導かれて進む。 ミステリ慣れしている読者には、犯人も動機も比較的早い段階で容易に推測できてしまうだろう。しかし「ジオキャッシング」でなければならなかった理由はなかなかお見事。 事件自体はとても陰惨で、痛ましい結末を迎える。主人公のトラウマと...

事件は「ジオキャッシング」というゲームに導かれて進む。 ミステリ慣れしている読者には、犯人も動機も比較的早い段階で容易に推測できてしまうだろう。しかし「ジオキャッシング」でなければならなかった理由はなかなかお見事。 事件自体はとても陰惨で、痛ましい結末を迎える。主人公のトラウマとなった過去のおぞましい事件も含めて、オーストリアもずいぶん血生臭い。 シリーズものらしいが、残念なことに主人公と捜査チームの魅力が今ひとつ乏しい。合間に挟まれる元夫とのいざこざは読み飛ばしてしまいたいくらいうんざりする。離婚過程は書かれていないし、2人の子供がベアに引き取られた所以も分からないが、気が滅入るやり取りなので早々に終結してもらいたい。ただでさえ主人公に共感しにくかったので、プライベートの人間関係で読む気力を失わせないで欲しい(これが人間くさくていい、という方もいるかもしれないけど)。 とは言え、次巻も翻訳されれば読むつもり。

Posted byブクログ

2015/08/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ジオキャッシングという全く聞いたことのないスポーツがテーマとなっている。GPSを使って行う宝探しだが、これが見事にサスペンス小説のプロットに昇華されている。 犯人から届けられるメッセージを解くと緯度経度が導かれ、そこに次のヒントが…。犯人に導かれながら、次々に被害者が見つかり焦る警察側と、犯人の周到な計画の意外な方向性が面白くて一気読み。 ただ読み慣れていると意外と犯人、そしてその犯行動機には気が付くが、ジオキャッシングをさせた意図がわかってくる辺りは見事。 女性刑事がバツイチ子持ちで私生活でも苦労して・・・、という設定は今更ありきたりで、ここの部分の描写は冗長に感じるが、女性作者だけに心情がしっかり描きこまれているのは良い。 これがサスペンスデビューの作者らしいが、練りこまれたストーリー展開は見事で、間違いなくシリーズ化だし、これ自体映画化にうってつけの作品だろう。 オーストリアの作品ということで、登場人物の名前が覚えにくいが、丁寧な訳に登場人物一覧もついて助かった。 書評で褒められていたのでプロットを見ずに読みだしたのだが、ハヤカワ文庫の背表紙やタイトルから勝手にSFと思ってて最初は意外な展開と思ってしまった(-_-;)

Posted byブクログ

2015/01/26

ジオキャッシングというゲーム(実際にあるらしい)になぞらえて起こる殺人事件。警察を弄ぶ犯人と追っかける警察。クライマックスに行くに従って、ぐいぐいと引き込まれていって面白かった。ただ、最後の犯人がなぜ殺人を犯したかの経緯が物足りなかったのと、主人公の女刑事が旦那と折りが悪くて別居...

ジオキャッシングというゲーム(実際にあるらしい)になぞらえて起こる殺人事件。警察を弄ぶ犯人と追っかける警察。クライマックスに行くに従って、ぐいぐいと引き込まれていって面白かった。ただ、最後の犯人がなぜ殺人を犯したかの経緯が物足りなかったのと、主人公の女刑事が旦那と折りが悪くて別居中、2人の間に産まれた子供の事で毎回いさかいを起こすとかその辺は、ありきたりかも。でも、ミステリーに登場する女刑事ってこういう人物像なのはある程度仕方ないのかなぁ。

Posted byブクログ