フラッシュ・ボーイズ の商品レビュー
高速取引行為、高頻度取引行為、HFT業者、普段の生活の中では見えてこない、市場が電子化されたこと等により生まれた、スピード勝負の取引ビジネス。彼らの中で勝負しているだけならよいが、それにより他の投資家が不当な損失を被っている、金融市場の安定性が脅かされている、となると見過ごすわけ...
高速取引行為、高頻度取引行為、HFT業者、普段の生活の中では見えてこない、市場が電子化されたこと等により生まれた、スピード勝負の取引ビジネス。彼らの中で勝負しているだけならよいが、それにより他の投資家が不当な損失を被っている、金融市場の安定性が脅かされている、となると見過ごすわけにはいかない。 このような新たな取引者の実態と、それに対抗しようとした人達の戦い、大手金融機関や政府関係者の動きなど、10年ほどたった今でも、どこかで戦いが行われているだろうと思える、大変参考になる一冊。
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ロイヤルカナダ銀行に勤める日系カナダ人ブラッド•カツヤマが、会社を辞めて公正な新しい取引所IEX(Investors Exchange)を設立し、High Frequency Traderに反逆する物語り。 ルールに則って、時にはルールを自分に都合が良いように変更させて、自分ら...
ロイヤルカナダ銀行に勤める日系カナダ人ブラッド•カツヤマが、会社を辞めて公正な新しい取引所IEX(Investors Exchange)を設立し、High Frequency Traderに反逆する物語り。 ルールに則って、時にはルールを自分に都合が良いように変更させて、自分ら以外の全ての市場参加者をカモにする、卑怯でかつ超絶優秀なウォール街の人たち。 そんなことに偉大な才能を使うのは社会の損失なので、そういう出し抜き行為を無効化することに全力を尽くすブラッドたち。終盤にこの動きに同調するマネージャーがゴールドマンサックスのなかから登場するところが最大の救いだった。 P4 ジェレミー•フロマーCEOの発言 「自分がファーストクラスに乗っているだけではだめだ。友人たちがエコノミーに乗っていると知っていることが大事なんだ」 (感心するくらいのくそ野郎発言だ。)
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10億分の1秒単位で取引を繰り返す超高速取引業者が、証券取引所や機関投資家と投資家の間に入ってサヤを抜き、ボロ儲けしている事実を暴いた本。 恐ろしいのは、この行為が法律に違反しておらず、また、証券取引所も超高速取引業者に便宜を図ることで多大な利益を得ていたこと。 損をするのは...
10億分の1秒単位で取引を繰り返す超高速取引業者が、証券取引所や機関投資家と投資家の間に入ってサヤを抜き、ボロ儲けしている事実を暴いた本。 恐ろしいのは、この行為が法律に違反しておらず、また、証券取引所も超高速取引業者に便宜を図ることで多大な利益を得ていたこと。 損をするのは個人投資家や個人が預けた年金基金のみ。 これは昔の話ではなく、今の日本にも超高速取引業者は進出しており、東京証券取引所は彼らに便宜を図ることで、年間20億円もの利益を上げている。
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自分に金融の知識がなかったのでとても難しかった。けれど、NISAにちょっと興味があるので、金融について色々知りたい気もする。そしてまたこの本を読んでみたい。
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この本を読んだのではなくて,これを原作に映画化された『ザ・ハミングバード・プロジェクト』の方を機内で見て面白かったという話.いろいろと端折り過ぎて内容的には雰囲気をつかんでね,光ファイバーのレプリケーターのしようを突き詰めてレプリケーターの数を減らすとアメリカ横断の光ファイバネッ...
この本を読んだのではなくて,これを原作に映画化された『ザ・ハミングバード・プロジェクト』の方を機内で見て面白かったという話.いろいろと端折り過ぎて内容的には雰囲気をつかんでね,光ファイバーのレプリケーターのしようを突き詰めてレプリケーターの数を減らすとアメリカ横断の光ファイバネットワークがコンマゼロいくつか早くなってNYSEによそより先に証券取引のコマンドを送れるから,つまりはちょびっと未来で取引できてぼろ儲けや,という途方もなく地味でコストのかかる方法の実現に走ってしまった男たちのドラマ.Breaking Bad 印象が強過ぎてキャストが最後までしっくりこなかったぜ.
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
金融取引はとてもゲーム的な要素が強い。資産をより多く増やすという分かりやすい目的があり、ひたすらにあるシステムにおける攻略法を極めたものが勝利するゲームだ。 複雑な現実を相手にするため、攻略法には様々なものがあるが、この本に書かれている高速取引業者のやり方ほど単純明快なものはないだろう。 これほどまで金融商品の取引速度にエネルギーを注いで成功した人がいるとは本書を読むまで全く知らなかった。しかし、いつの時代も良心の問題から圧倒的な勝者を生むシステムに疑義を呈する人間はいる。ブラッド・カツヤマは高速取引業者優位の時代におけるそんな人間だ。新しい公正な取引所を作るというスケールの大きさは、読み進んでいても驚くばかりだった。 ただ、終章で暗に示されていたように高速取引業者もさらに上の段階を目指しているのだろう。金融取引における駆け引きが、本能に近いところで人間を惹きつける限りこのゲームはまだまだ続くのだろう。
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いや、これはすごいや。時間がまさに金を産む。また、市場を通さない不透明な株取引で結局投資家が損をしている。
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著者は、マネーボールと同じマイケル・ルイス氏。 何度かこの株式の課題について本で読んだことがありました。プログラムや不正の事象を書いたものばかり。 この本では、実在の人物が描かれているので、リアリティを感じながら拝読いたしました。
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株式市場におけるHFT等、「捕食者」の捕食活動から投資家を救うべく、RBCのトレーダーという身から転じてIEXを創設したBrad Katsuyamaの話を中心に展開していく、マイクロ秒を今や争うようになった、そしてその結果目に見えないところで株式市場が"rig"...
株式市場におけるHFT等、「捕食者」の捕食活動から投資家を救うべく、RBCのトレーダーという身から転じてIEXを創設したBrad Katsuyamaの話を中心に展開していく、マイクロ秒を今や争うようになった、そしてその結果目に見えないところで株式市場が"rig"されていることを克明に記録している本。 自分のしている仕事の社会へのインパクトを改めて考えさせられる本である。これまた非常に面白い。
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速読ざっと読み。 渡会圭子訳シリーズを読んでいるためついでに読んでみた。 彼女の役は比較的読みやすい方だ。読むに耐えない翻訳本では読む気がなくなるので。 簡単に要約すると株式市場では出来レースがはびこっていたということ。やはりプレイヤーとして参加している時点でギャンブルは負け...
速読ざっと読み。 渡会圭子訳シリーズを読んでいるためついでに読んでみた。 彼女の役は比較的読みやすい方だ。読むに耐えない翻訳本では読む気がなくなるので。 簡単に要約すると株式市場では出来レースがはびこっていたということ。やはりプレイヤーとして参加している時点でギャンブルは負けが確定ということですね。 勝ちたいのならルールを作る側に回らなければ不可能だと。
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