朝はアフリカの歓び の商品レビュー
援助を行き渡らせることの難しさがここまでとは。 断片的には知っていたはずの事実が実体験としてガツガツ殴られるように、自分はまだ分かってなかったのだと分からせてくれた。(体験してないから、きっとまだ分かりきってないのだろうけど) "世界的に、ことに貧しい国では、偉い人ほど...
援助を行き渡らせることの難しさがここまでとは。 断片的には知っていたはずの事実が実体験としてガツガツ殴られるように、自分はまだ分かってなかったのだと分からせてくれた。(体験してないから、きっとまだ分かりきってないのだろうけど) "世界的に、ことに貧しい国では、偉い人ほど追求のできない方法で金を盗む"(日本も今ですら政治家周辺にかなりの税金は盗まれているし…) 曽野綾子さんの誠実さや徹底したボランティアという行為に対する意識の高さや強さ、義務感に感銘を受けた。 日系人が大和魂を保っていたこと、想像を越えていた現実の貧しさというもの、貧しさから起きること、日本人の大地震の際の冷静さに何故世界が驚愕したのか… 生きるために売春しかなくエイズになる。妊娠する。産まれた子どもに母乳をあげてエイズが伝染る。ミルクを買うお金もないが例え粉ミルクを配給しても水が悪くて死ぬ。薪は高すぎて買えない。 ハエみたいに蛍がいる奥地に住む部族に教育をもたらそうと頑張った結果、やっと森から出て中学生に行った数人の娘の半数近くが妊娠して森に帰ってきた。純潔という言葉が恥ずかしくなる、生と性のまざまざしさ。 どんな作物も収穫直前に根こそぎ盗まれ、国中になるみごとなマンゴーの実は1〜2円にしかならない、という過酷さの中に生きててよかったと思わせる自然の美しさ。 "ただ、貧しく汚職だらけで、時には怠け者という社会にも、すばらしく澄んだ夜明けが、清澄と燃え上がるような生命のきざしをみせるアフリカの払暁" 私もアフリカの夜明けに見惚れる体験がしたい。
Posted by
- 1