京都〈千年の都〉の歴史 の商品レビュー
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大河ドラマ、光る君の放送中であり、これと関連するところは、前書きの枕草子と周囲の貧困の差であった。10年前に書かれた本であり、ほとんどが平安京に終始していた。まえがきについての対比を中心に書かれていたら、もっと興味を持って読まれたと思う。
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平安京から”京都”に変わるまでの変遷を、誰もが知っている有名な絵巻や書籍、物語の記載と現在の地名や残っている史跡を踏まえ、京の歴史を綴っている本。 関東に住まいしているせいか、歴史ロマンの溢れる町というイメージを持っておりますが、ちょうどコロナ禍ではあったものの、二泊三日の京都出張があり、空いた時間に西本願寺と京都御所の中を散歩しました。その時に手元にあったらよかったのに、と思えた本でした。
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これは面白い京都本だった。学術的記述に終始するが、闇歴史への目配りもあるし、何より俯瞰的に歴史を眺める感覚に浸れる。平安時代の京都はそこらへん糞と死体だらけ、だが天皇の行事は頻繁にある。検非違使が傘下の非人を使って掃除させていたらしい。
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平安時代、京都が首都になってから、現代に至るまでの歴史について書かれています。なぜ奈良から遷都されたのか、当初の京都から、その後どのように変わっていったのかを、現在の京都の街に残る史跡を紹介しながら説明されていて、平安京時代の京都については非常に分かりやすかったです。鎌倉・室町幕...
平安時代、京都が首都になってから、現代に至るまでの歴史について書かれています。なぜ奈良から遷都されたのか、当初の京都から、その後どのように変わっていったのかを、現在の京都の街に残る史跡を紹介しながら説明されていて、平安京時代の京都については非常に分かりやすかったです。鎌倉・室町幕府を経て、その京の位置が微妙にずれていったこと、かつての中心が辺境になっていく様は、とても好奇心多く読ませていただきました。 京都を知るために、読んでおくべき本だと思います。
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新しい発見があって、面白く読んだ。 例えば、寝殿造。 よくいろんなところで見かける東三条殿(藤原兼家邸)。 あれは寝殿造りの典型なのだと思ってきたが、特に平安前期にはああではなく、コの字型なのだとか。 京都の近隣の山が都市化による伐採で赤松だらけになっていくという話は、どこかで聞...
新しい発見があって、面白く読んだ。 例えば、寝殿造。 よくいろんなところで見かける東三条殿(藤原兼家邸)。 あれは寝殿造りの典型なのだと思ってきたが、特に平安前期にはああではなく、コの字型なのだとか。 京都の近隣の山が都市化による伐採で赤松だらけになっていくという話は、どこかで聞いたことがあったけれど、ヒラタケから松茸へ産物が変わっていくことで後づけられたという話は知らなかった。 やはり知らないことがわかるのは、面白い。 前半の方は、発掘された遺跡に基づいて論じるべきだという姿勢が強く出ていたように思う。 そこに、さすが歴史家だなあ、と思わされた。
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近年の学説の変化がよくわかった。エタ・非人の源流となる被差別民は中世から生み出されていた。朱雀大路は、セリ、ハスなどが植えられていた。町衆の反権力の象徴とされていた山鉾は、将軍の持ち物であったという発言もある。日本の街が清潔なのは、人糞を肥料に使っていたからであって、休耕地を設け...
近年の学説の変化がよくわかった。エタ・非人の源流となる被差別民は中世から生み出されていた。朱雀大路は、セリ、ハスなどが植えられていた。町衆の反権力の象徴とされていた山鉾は、将軍の持ち物であったという発言もある。日本の街が清潔なのは、人糞を肥料に使っていたからであって、休耕地を設けたヨーロッパでは、人糞は都市に滞留した。京都は原爆投下の第一候補地であった。盆地だから原爆の破壊力を正確に測定できたし、そのために空襲を控えた。
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訪ねてみても、「案内板が見受けられる」というだけの場所まで多く取上げ、「各時代の特徴的なモノ」を克明に説きながら、そうしたモノが登場した時代の様相を巧みに纏めている。また、公衆衛生のことから、物流や金融や農業に関連する話題も在り、非常に興味深い。 「或る程度専門的な知識も含めて、...
訪ねてみても、「案内板が見受けられる」というだけの場所まで多く取上げ、「各時代の特徴的なモノ」を克明に説きながら、そうしたモノが登場した時代の様相を巧みに纏めている。また、公衆衛生のことから、物流や金融や農業に関連する話題も在り、非常に興味深い。 「或る程度専門的な知識も含めて、一般読者向けに平易に纏める」という“新書”の真骨頂のような一冊だと思った!! ほんの少しでも、京都や日本史に関心の在る方には強くお奨めしたい感じの一冊だ!!
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<目次> 序 第1章 平安京の誕生ーはじまりの時代 第2章 「花の都」の光と影 第3章 平安京から京都へー中世の幕開け 第4章 京と六波羅ー内乱と災厄を経て 第5章 武家の都として-南北朝から室町へ 第6章 都を大改造するー信長と秀吉の京都 第7章 イメージとしての...
<目次> 序 第1章 平安京の誕生ーはじまりの時代 第2章 「花の都」の光と影 第3章 平安京から京都へー中世の幕開け 第4章 京と六波羅ー内乱と災厄を経て 第5章 武家の都として-南北朝から室町へ 第6章 都を大改造するー信長と秀吉の京都 第7章 イメージとしての古都ー江戸時代の京都 結び <内容> 中世史の第一人者の京都の歴史本。かなりきちんとまとまっている。著者は林屋辰三郎の『京都』(岩波新書)を目標に書いたという。最新の成果を取り入れながら、平安時代から江戸時代の終わりまでが(幕末はかなりさらっとだが…)盛り込まれている。 古代~中世のトイレの話(とても不潔で疫病の元)や荘園の端的な説明(これは目から鱗でした)、秀吉の伏見城の話はあまり知らなかった。また、現在の「古都京都」のイメージは江戸時代に出来上がったとの指摘は(もうとっくに上がっていたと思いますが…)、私には納得でした。
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一気に京都の千年を体験。 教科書的でなく、ちょっと寄り道の専門用語も専門知識も勉強になります。 結局・・・現在の京都は古きを慕う現代の京都なんですね。少しさびしい気もしますが・・・・。
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現代の京都との位置関係をかなり具体的に書いているので、京都案内にはぴったりです。外来者にはちょっと行かない施設などの説明も行き届いています。 歴史の入門書としても勿論いいのですが、机上で読むのがもったいないです。当時の京都と現在の京都の対比した地図もあり、市街化された街で平安京の...
現代の京都との位置関係をかなり具体的に書いているので、京都案内にはぴったりです。外来者にはちょっと行かない施設などの説明も行き届いています。 歴史の入門書としても勿論いいのですが、机上で読むのがもったいないです。当時の京都と現在の京都の対比した地図もあり、市街化された街で平安京の遺構を探るにはよいです。
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