スポーツ遺伝子は勝者を決めるか? の商品レビュー
アスリートのパフォーマンスは遺伝で決まるのか、それとも後天的な環境や練習によって習得されていくのかという主題について、様々な遺伝子型と表現型との関連を調べることで、その主題に迫っていく。 結論として、遺伝子「だけ」によってパフォーマンスが決定されるわけではないし、現時点では遺伝...
アスリートのパフォーマンスは遺伝で決まるのか、それとも後天的な環境や練習によって習得されていくのかという主題について、様々な遺伝子型と表現型との関連を調べることで、その主題に迫っていく。 結論として、遺伝子「だけ」によってパフォーマンスが決定されるわけではないし、現時点では遺伝子型がどのように表現型として発現するか、全て解明されているわけではないため、邦題の『スポーツ遺伝子は勝者を決めるか?』の回答が得られるわけではないが、現在誰でもが行える「スポーツ遺伝子検査」に対する自分なりのスタンスを決める一助にはなると思う。
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本書は東京オリンピック2020を翌年に控え 、開催前に読んでほしいおススメの一冊です! スポーツにおける強さの源は「遺伝か環境か」―このテーマに、目覚ましい発展を遂げる先端科学はどこまで迫っているのか。その最前線を紹介する内容になっています。多くのオリンピアン、各競技のメダ...
本書は東京オリンピック2020を翌年に控え 、開催前に読んでほしいおススメの一冊です! スポーツにおける強さの源は「遺伝か環境か」―このテーマに、目覚ましい発展を遂げる先端科学はどこまで迫っているのか。その最前線を紹介する内容になっています。多くのオリンピアン、各競技のメダリストや研究者からアスリートの肉体の秘密に迫り 、スポーツ観と人間観を根底から覆し、スポーツ観戦とトレーニングの楽しみを倍増させる科学書でもあります。これまで以上に注目されているスポーツの新しい見方を発見できる内容となっています。 (ラーニング・アドバイザー/スポーツ医 KOUMURA) ▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1626792
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何でも短絡的に答えだけを求めがちな昨今の日本の現状故、このような邦題ができるのだろう。 ※ちなみに原題は"The Sports Gene:Inside the Science of Extraordinary Athletic Performance" もし仮...
何でも短絡的に答えだけを求めがちな昨今の日本の現状故、このような邦題ができるのだろう。 ※ちなみに原題は"The Sports Gene:Inside the Science of Extraordinary Athletic Performance" もし仮にある遺伝子が勝者を決めることができたとして、それで一体どうなる(私たちはどうすべき)というのだろうか。 もちろん、本書ではそのような視点で記述されることはほとんどない。 素直に読めば素直に面白い。
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「努力は裏切らない」「努力は報われる」と言うフレーズは美しい。希望があり、心の支えになり得る。 しかしどうもそうでもないようだと、皆薄々思っているのではないか。 どんなに練習しても限界がある人がいる一方、そこまで練習しているようでもないのに記録の伸びる人もいる。同じ練習量でも、結...
「努力は裏切らない」「努力は報われる」と言うフレーズは美しい。希望があり、心の支えになり得る。 しかしどうもそうでもないようだと、皆薄々思っているのではないか。 どんなに練習しても限界がある人がいる一方、そこまで練習しているようでもないのに記録の伸びる人もいる。同じ練習量でも、結果には差が出る。トップアスリートの世界は、もちろん才能だけでどうにかなるほど甘いものではないが、誰でも練習や努力をすれば報われるというのは、幻想に近いのではないか。。。 持って生まれた適性の上に適切な努力、どちらが欠けてもよい成績とはならない。どちらも必須である。
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遺伝子はスポーツ選手のパフォーマンスにどの程度影響を与えているのか、という積年の疑問を 生理学的、文化的アプローチにより丁寧に解き明かした一冊。
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野口みずき選手の「走った距離は裏切らない」を素晴らしい名言であると称賛していたわたしとしては、目から鱗が落ちる本でした。練習と持って生まれた遺伝子の特性の両方をうまく見極めることも大事であり、特に長距離走におけるケニアのカレンジン族の優位性の話は面白かったです。「ランニングエコノ...
野口みずき選手の「走った距離は裏切らない」を素晴らしい名言であると称賛していたわたしとしては、目から鱗が落ちる本でした。練習と持って生まれた遺伝子の特性の両方をうまく見極めることも大事であり、特に長距離走におけるケニアのカレンジン族の優位性の話は面白かったです。「ランニングエコノミー」(ランナーがあるペースで走るときに消費する酸素量を図る尺度)の考え方からも「遠位重量」が少ないほど、つまり手足の端が細い方が、消費酸素量が少なくてすむため、カレンジン族の体型は有利でした。
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遺伝子は、アスリートのパフォーマンスにどのような影響を与えるかについて、様々なスポーツ(特に身体能力が測定しやすい陸上競技が多い)を取り上げ、競技の内容によって体型・骨格・筋肉の違いや、そこに遺伝子がどのように関与しているか、最新の遺伝学の研究成果を踏まえて考察する。例えば、ジャ...
遺伝子は、アスリートのパフォーマンスにどのような影響を与えるかについて、様々なスポーツ(特に身体能力が測定しやすい陸上競技が多い)を取り上げ、競技の内容によって体型・骨格・筋肉の違いや、そこに遺伝子がどのように関与しているか、最新の遺伝学の研究成果を踏まえて考察する。例えば、ジャマイカの選手が短距離に強く、ケニアの選手が長距離に強いのは何故か、メジャーリーグの選手が女子ソフトボールの投手の球を打てないのは何故かなど、興味深い多くのテーマや実例を挙げて解説しており、大変面白く読めた。 アスリートのパフォーマンスは、「遺伝子X練習環境X時間」で決まるというのが著者の主張で、どれかが欠けると一流レベルに達するのは難しい。また、アスリートは自分の資質に適したスポーツを見つけることも重要で、他のスポーツに転向した途端に一流レベルに達する選手もいる。紹介されているアスリート達の人生や競技生活も様々で、成功(或いは挫折)に至るまでの彼等の努力や生き方はとても参考になる。 スポーツ観戦では、試合展開やチームの勝ち負け、勝負を分けたプレー等を気にして見ることが多いが、一流アスリートは普通のアスリートとは何が違うのかという観点で見ると、また別の楽しみ方ができると思う。
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「1万時間でエキスパート」論が人口に膾炙したタイミングでこういった正反対に近い研究が出てくるのは、その分野が健全に発展している証と言えるだろう。現代アスリートには遺伝子の素質とたゆまない努力の双方が求められるということ。本気で勝ちに行くなら国家レベルでの選抜・支援が必要だというこ...
「1万時間でエキスパート」論が人口に膾炙したタイミングでこういった正反対に近い研究が出てくるのは、その分野が健全に発展している証と言えるだろう。現代アスリートには遺伝子の素質とたゆまない努力の双方が求められるということ。本気で勝ちに行くなら国家レベルでの選抜・支援が必要だということ。「1万時間」はチェス、音楽、プログラミングには当てはまるかもしれないがスポーツには当てはまらない部分が大きいということだ。 「1万時間」の否定は、女子体操などのごく少数の例外種目を除いて10代半頃までは色々な種目を経験することが大事、という非常に重要な指摘をしており、早々に一つの種目に特化させてそれ以外の活動を認めない、日本の部活のあり方には大きな疑問を感じる。 遺伝による掛け合わせについては、有効であると判明しているのだから、アラブの金持ちや中国がそれを実行しないわけは無い。
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努力か才能か?という究極の答えに対し現在わかっていることをわかりやすくまとめた本。答えは両方である。とくにトップアスリートは結果としてレアなそのスポーツに適合した遺伝子が多くの場合で見られる。 走るのはシンプルで特に遺伝子の影響が色濃く出るようだ。短距離走は西アフリカ勢(Incl...
努力か才能か?という究極の答えに対し現在わかっていることをわかりやすくまとめた本。答えは両方である。とくにトップアスリートは結果としてレアなそのスポーツに適合した遺伝子が多くの場合で見られる。 走るのはシンプルで特に遺伝子の影響が色濃く出るようだ。短距離走は西アフリカ勢(Inclジャマイカ)、長距離走は東アフリカ(特にほとんどがカレンジン族)で占められているのは遺伝子のなせる技である。スポーツの特性に合わせた体型や呼吸機能が重要となり、万能の人物はあり得ない。短距離走は身長が高いことが重要だが、長距離であれば小さいほうが有利(熱の放射が表面積が相対的に大きくなり有利)な部分もあるし、パワーよりもランニングエコノミーの高い体型がより有利。 またよく言われる練習量1万時間はバラツキが大きく、体の体質によりトレーニングへの反応も大きく違う。高校生が数年でオリンピック選手になり何万時間も練習した選手を破ることもよくある。 一方球技のようなやり方がより重要なスポーツではどれだけ練習したがソフトウェアの出来栄えがより重要になってくる。なので、ソフトボールと野球は似ているようで実は適合するには時間がかかる。のでMJは野球でうまくいかなかった。 また遺伝子はやる気などにも左右する。いつまでも走り続けても苦にならないのも天賦の才である。
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スポーツの勝利者となるためのキーは、遺伝的形質か、それとも練習時間の長さか、または、専門的な訓練か?といったいくつかのアプローチから、様々なスポーツ、チェス、楽器演奏から犬ぞり犬に至るまでの広範な実例を分析している。 分析内容について触れることは、読む方の興味をそいでしまう可能性...
スポーツの勝利者となるためのキーは、遺伝的形質か、それとも練習時間の長さか、または、専門的な訓練か?といったいくつかのアプローチから、様々なスポーツ、チェス、楽器演奏から犬ぞり犬に至るまでの広範な実例を分析している。 分析内容について触れることは、読む方の興味をそいでしまう可能性があるので控えるが、様々なエピソードはどれもへぇ~というそこそこの面白さ保証。 でも、この本を読んだからといって、オリンピックに出られるわけではありません。
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