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島根県立古代出雲歴史博物館 展示ガイド の商品レビュー

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2016/01/15

出雲の旅から帰って気がついたのだが、他の図録と違ってこれはなんとAmazonでも買えるようになっている(島根県の方針か?)。なんと1000円(税別)で、オールカラー160pである。実際は2000円の内容だった。絶対買いである。 博物館で良かった処は以下の幾つか。 2000年に...

出雲の旅から帰って気がついたのだが、他の図録と違ってこれはなんとAmazonでも買えるようになっている(島根県の方針か?)。なんと1000円(税別)で、オールカラー160pである。実際は2000円の内容だった。絶対買いである。 博物館で良かった処は以下の幾つか。 2000年に13世紀の3本組の巨大柱が出た時に一度出雲大社には来ています。その時には、そんなに大きくないな、という印象だったのですが、これが3本組という処にその巨大神殿の根拠があることにやっと得心が行きました。ビデオで柱の立て方を見たのですが、なるほどこれならば天にも聳える神殿が建つと思いました。 推定復元案が5つ模型が置かれています。その写真は知っていたのですが、現地で見てビックリしたのは、その五つ高さだけは同じなのです。私は大きいのと小さいのがあると思っていました。ということは、鎌倉時代の出雲大社の高さは16丈(約49メートル)あるというのは、決定的ということになる。ちょっとした巨大ビルだ。本居宣長が「そんなことあるはずがない!」と言ったのが分かる気がする。 圧巻は加茂岩倉遺跡と荒神谷遺跡から出土した、大量の銅鐸と銅剣をレプリカを合わせてほぼ全部展示していること。特に銅鐸を巡る謎解きがどの辺りまで進んだのかが伺えたことは有効だった。つまりは、銅鐸の謎はほとんど何もわかっていない、ということが分かった。 しかし、今回来て唯一不明を恥じたのは、銅剣文化圏と銅鐸文化圏は、島根の大量出土で意味がなくなったと私は思っていたのだが、実は弥生中期に出雲と吉備を中心に「シャッフル」されたあとに、弥生後期に至り、もう一度緩やかな銅剣文化圏と銅鐸文化圏に戻っているのである。但し、ここが重要なのだが、中国五県と讃岐と播磨(つまり、出雲と吉備王国関連地域)だけは、完全に銅剣も銅鐸も離れているのだ。それは、つまり明確に強烈に、特殊器台、特殊壺祭祀に移行したということを示していると思う。やがて、特殊器台祭祀を使った前方後円墳時代が西日本を席巻し、さらには関東まで行くことを考えると、特殊器台の生みの親・吉備王国の思想は、かなり強烈だったということになるだろう。 これは6世紀後半、大刀や馬具が最もきらびやかだった頃の出雲西武の大豪族の装いも展示されていた。しかし出で立ちは既にすっかり大和風になり切っている。 2016年1月15日読了

Posted byブクログ