相続・相続税幸せを遺す知恵 の商品レビュー
相続税の初歩的な解説書。冒頭、戦前の相続税の制度説明から始まっているところは面白かった。戦後GHQから日本政府に発せられた「シャベル勧告」に基づき、家督相続から均等相続へと変わり、子や配偶者であれば平等に相続することができる法定相続制度が定められた。ことに、配偶者に相続権が認めら...
相続税の初歩的な解説書。冒頭、戦前の相続税の制度説明から始まっているところは面白かった。戦後GHQから日本政府に発せられた「シャベル勧告」に基づき、家督相続から均等相続へと変わり、子や配偶者であれば平等に相続することができる法定相続制度が定められた。ことに、配偶者に相続権が認められたことは画期的なことで、女性参政権と同様、女性が法的に一人前の人間として財産を持てることになった。 全般的に既知のことが多かったかな。本書はすでにマイナンバー制度対応の改訂版が出ているが、改訂本を買い直すほどのものではないと感じた。 P217 平成27年1月1日以後の取得から、一定の要件の下、非上場株式の贈与を行なった場合、親族外後継者も非上場株式に係る納税猶予を受けることができるようになり、贈与税は無税とされ相続時に相続税がかかることになります。 〜後継者にとっては有難い納税猶予制度ですが、相続人にとっては困ったことが生じます。なぜなら、遺贈にせよ、贈与税納税猶予から相続税の納税猶予に切替えたとしても、自社株式の評価が80%減額されるのは納税猶予を受けることのできる人だけですから、相続人にとっては減額されない高い評価額による自社株式を他の財産と合算して、被相続人の財産を算出し相続税の総額を計算することになりますので、思いもよらぬ高額な相続税を負担しなければならないことになるからです。 〜親族外の後継者に渡した結果、相続人にしてみれば何の見返りもないにもかかわらず相続税だけが大幅に増えることになるのです。
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