警察回りの夏 の商品レビュー
単なる現場記者の先走りによる誤報騒ぎの話かと思ったら、新聞社内外の群像、地方都市のシングルマザーや政治的陰謀にまで風呂敷が広がり、かつうまく閉じて見せた。 某新聞社の歴史的訂正記事とタイミングが重なったのは、単なる偶然か。
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最近ちょくちょく出会う共感できない主人公。 こういうのが作家さんからみる「ゆとり世代」なのかななんてことを思ってみたり。 誤報問題に関しては、いつも思うのが誤報に費やした紙面よりも大きな紙面で謝ろうよて思いますね。 小さな謝罪記事だと、本当は謝る気がないんじゃないかとといつも思い...
最近ちょくちょく出会う共感できない主人公。 こういうのが作家さんからみる「ゆとり世代」なのかななんてことを思ってみたり。 誤報問題に関しては、いつも思うのが誤報に費やした紙面よりも大きな紙面で謝ろうよて思いますね。 小さな謝罪記事だと、本当は謝る気がないんじゃないかとといつも思いますからね。
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新聞記者とか元新聞記者が活躍する物語には違和感がある。新聞自体に怪しさを感じていること,正義面しすぎると思っていること,偏向した新聞がままあることが要因ではある。 という点を差し引いても読ませる小説ではある。 主人公(達)に共感できないので,星は少ない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
事件モノではあるが、事件解決に至るプロセスよりも それを報じるマスコミの抱える闇に重点が置かれている印象。 正直なところ、誤報を書くよう仕向けられてから訂正記事が出るまでのくだりは 『虚報』とか『クライマーズ・ハイ』とか重たいマスコミものが頭に浮かんでしまうが故 読むのが辛くて若干飛ばし気味だった。 そこを乗り越えて読み進むと 調査委員会が組織された辺りから俄然面白くなってきて 気付けばそのあとはほぼ一気読み。 高石さんをはじめとした調査委員会のメンバーのキャラの立ち具合。 第一部ではあまり良い印象を持てなかった南さんの変化。 何故南さんは警察に嵌められなければならなかったのか。 子供達を殺した真犯人は誰なのか。 検証が進むにつれて芋づる式に判ってくる過程がワクワクした。 真犯人の正体があまりにも切ない。 そしてすべての登場人物の中でいちばん大人気なかったのが 代議士先生だったのには心底吃驚した。 なんぼなんでも粘着過ぎるだろ(笑)。 実際にありそうなエピソードと こりゃねぇだろというエピソードのミックス具合が程よくていい感じ。 誤報のあと失踪した南さんに何の処分もないとか 現実には有り得ないんだろうけど 読者の立場からするとちょっとした救いになったんじゃないかと思う。
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時々外れのある堂場さんだが、これは面白かった。でも南君にはちと苛付く。マスコミは謙虚にしてもらいたいなあ~
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新聞記者の活躍を描いたミステリ。幼児殺害事件というセンセーショナルな事件によって引き起こされるメディアスクラム。加熱する報道合戦の中で勇み足の誤報が起こる。そしてその誤報がなぜ起こったか、という調査が始まり、それにともなって事件も動き出す。 もちろん幼児殺害の真相も謎として充分に...
新聞記者の活躍を描いたミステリ。幼児殺害事件というセンセーショナルな事件によって引き起こされるメディアスクラム。加熱する報道合戦の中で勇み足の誤報が起こる。そしてその誤報がなぜ起こったか、という調査が始まり、それにともなって事件も動き出す。 もちろん幼児殺害の真相も謎として充分に引っ張られる要素ではあるけれど。メインは誤報にまつわるさまざまな思惑だなあ。メディアスクラムの弊害はたしかに怖いし、昨今のネットの怖さにもなるほど、と思います。だからこそ正しい報道というのは非常に重要なのだけれど。難しいなあ。
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どこぞの新聞社の誤報問題(捏造だと思うけど)がまだ記憶に新しく、今はメディアに対して不信感が拭えず、登場する新聞社や記者には冷めた目になってしまう。 南の誤報事件は陰謀?私恨を晴らすために罠を仕組んで動いていたなら何とも迷惑な話。 殺害された2女児の母親には「だったら簡単に子...
どこぞの新聞社の誤報問題(捏造だと思うけど)がまだ記憶に新しく、今はメディアに対して不信感が拭えず、登場する新聞社や記者には冷めた目になってしまう。 南の誤報事件は陰謀?私恨を晴らすために罠を仕組んで動いていたなら何とも迷惑な話。 殺害された2女児の母親には「だったら簡単に子供産まないでよ」な気分。どうしてそんな人の所にポンポン子供が生まれるのか・・・。もっと大事にしてくれる人の元に生まれたかったよねぇ・・・。真犯人の殺人の動機は心が重くなりますが、事件の原因の一端はやっぱり母親かなー。
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+++ 甲府市内で幼い姉妹二人の殺害事件が発生。盗みの形跡はなく、母親は消息不明。 マスコミは「虐待の末の殺人では」と報道を過熱させていく。日本新報甲府支局のサツ回り担当の南は、 この事件を本社栄転のチャンスにしようと取材を続けていた。 だが、殺害された姉妹の祖父が度重なるマスコ...
+++ 甲府市内で幼い姉妹二人の殺害事件が発生。盗みの形跡はなく、母親は消息不明。 マスコミは「虐待の末の殺人では」と報道を過熱させていく。日本新報甲府支局のサツ回り担当の南は、 この事件を本社栄転のチャンスにしようと取材を続けていた。 だが、殺害された姉妹の祖父が度重なるマスコミの取材攻勢によって追いつめられていく。 世間のムードは母親叩きからマスコミ叩きへと一変。粘り強く取材を続けていた南は、警察内部からの リークで犯人につながる重要な情報を掴む。だがそこには、大きな罠が待ち受けていた――。 やがて日本新報本社では、甲府2女児殺害事件の報道に関する調査委員会が立ち上げられる。 元新聞記者でメディア論研究者の高石が調査委員会委員長に抜擢。事件報道の背景を徹底調査しはじめるが……。 果たして真相はどこにあるのか? 報道の使命とは何か? 現代社会に大きな問いを投げかける、渾身の書き下ろし事件小説。 +++ 世間の興味を煽る要素のある殺人事件を、警察ではなく新聞社にスポットを当てて描かれた物語である。読み進むと、事件そのものが本筋ではなく、とんでもないはかりごとが背後に隠れているのが見えてくる。読めば読むほど新たな興味が掻き立てられ、真相を知りたい欲求がいやでも高まる。それを高石をはじめとする調査委員会の面々が代わりにやってくれるという感じである。事件の真犯人が判っても、裏で進んでいたはかりごとがすっきりしたわけではないが、一応カタルシスは得られる。警察と報道の関係、ネットの風評など、いろいろ考えさせられる一冊でもある。
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