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続・100年予測 の商品レビュー

3.2

18件のお客様レビュー

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2023/08/12

今回の予測の範疇は10年でした。2011年から10年くらい。答え合わせもできますが、前作に比べると現実的な内容が多かったように思います。

Posted byブクログ

2023/03/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

邦題は100年予測の続編という感じだが、内容を読むと原題のTHE NEXT DECADEのほうがしっくりくる。2011年時点の内容という点に留意。 ・地域勢力を均衡させるための、アメリカ政策の三原則  ①世界や諸地域で可能なかぎり勢力均衡を図ることで、それぞれの勢力を疲弊させ、アメリカから脅威をそらす  ②同盟を利用して各国間の揉め事(対決や紛争)の負担を他国に担わせる。その見返りに経済的利益や軍事技術、必要ならば軍事介入を約束して、他国を支援する。  ③軍事介入は最後の手段(勢力均衡が崩れ、同盟国が問題に対処できなくなったときのみ)。 以下は日本に関係する部分の記載で気になったところ。 〇「氷河型」「地震型」の社会  ・「氷河型」社会(アメリカなど)   氷河が動くように変化が絶えず、社会、政治体制がつねに少しずつ変わっている社会。一つのできごとがいきなり社会を一変させることはない。  ・「地震型」社会(日本)   さまざまなできごとが起きても、長い間にわたってほとんど変化が見られない。しかしその間、国内体制や対外関係では、水面下で圧力が高まっており、突如として体制が瓦解し、大変革が起きる。 〇日本社会に「地震」が起きるとき  ・3.11と中東情勢が重なったことで、日本は自国の運命がアメリカの手に握られており自分でコントロールできない事に気付いた。  ・日本にとって、これは到底耐えられない。しかし日本は「地震型社会」なので、殆どの他国よりも耐えることができる。圧力が高まってもしばらくは耐え続けるが、圧力が臨界に達すると、社会は地震に見舞われ、地殻変動を経験する。  ・これが起きるのは、日本の政治文化が国の必要を満たさないのではないかという疑念が生じたとき。換言すれば、このうえない脆弱性を自覚し、政治構造がこの脆弱性に対処できないと悟ったとき。 〇日本経済の衰退  ・ 日本経済を動かしているのは、企業連合(ケイレツ)と政府の非公式な協力関係(企業連合に非常に大きな自由度を与えている)。国民が郵便貯蓄に預けた資金を日銀と都市銀行経由で日本企業に低金利(アメリカに比べ)融資したことで優位性を確保した。しかし国民は多額の資金を貯める必要から消費を控え、内需は低迷した。  ・また、アジアとの競争が激化した際に値下げ攻勢をかけたことで利益圧迫・収益低下が起きた。この時成長資金を借入に依存したためますます返済困難となった。  ・日本企業は定年までの終身雇用の伝統(『一種の社会契約』)を尊重し、成長を犠牲にして完全雇用を維持した。これにより国の中核的利益を守りとおした。 〇次の10年  ・出生率低下により、債務と人口動態が日本に重大な危機をもたらしている。  ・次の10年には、経済モデルの転換を迫られる。これは中国も同様だが、日本には、中国とは異なり貧困にあえぐ10億の国民がいないという圧倒的な強みがある。日本は必要とあれば社会不安を起こさずに、乏しきに耐えることができる。  ・日本の根本的な弱点は、産業に必要なすべての天然資源が不足していること。資源調達に問題が生じれば、国内で賄うという選択肢をもたない日本が、ふたたび強硬姿勢をとる可能性は高い。

Posted byブクログ

2022/06/01

原題は「The Next Decade」とあり、内容も2011年からの10年間のアメリカを中心とする世界の動きを記述しているところから、正確には『10年予測』とすべきであろう。 正直『100年予測』ほどのインパクトはなかった。

Posted byブクログ

2021/05/06

この本は100年予測というタイトルでありながら、近10年、アメリカがとるべき施策の提言と言う印象をうけました。と思ったらThe Next Decadeというタイトルですので、こっちの方が正確なんじゃないかと思います。 アメリカ観点から見ると一国が勝ち組にならず、中東でイランとトル...

この本は100年予測というタイトルでありながら、近10年、アメリカがとるべき施策の提言と言う印象をうけました。と思ったらThe Next Decadeというタイトルですので、こっちの方が正確なんじゃないかと思います。 アメリカ観点から見ると一国が勝ち組にならず、中東でイランとトルコとイスラエル、ヨーロッパでロシアとドイツが組まないようにする、太平洋地域で中国と日本を均衡化させるというのは理にかなっている気がしますね

Posted byブクログ

2020/03/01

文庫化でタイトルを変えるとはひどい. この本,もともとは「激動予測」という名前で単行本で発売されていた本.現代は"The Next Decade"で,アメリカの今後10年を予測する内容. なんだよ~,激動予測は読了していたのに,新作だと思って買っちゃったじゃな...

文庫化でタイトルを変えるとはひどい. この本,もともとは「激動予測」という名前で単行本で発売されていた本.現代は"The Next Decade"で,アメリカの今後10年を予測する内容. なんだよ~,激動予測は読了していたのに,新作だと思って買っちゃったじゃないか. 激動予測の前の作の「100年予測」は地球規模の今後100年を予測するもので非常に面白かった.それに対し,「激動予測」はアメリカ中心の直近10年がテーマということで,日本人からすると,面白いながらも前作ほど夢中になるものではなかった.

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2020/02/23

邦訳のタイトルとは異なり、アメリカの 2010 年代の世界戦略についての提案を述べた本。 戦略としての正しさについては納得がいく内容ですが、流石にトランプ大統領の出現までは予測できなかったんだなぁ。(^^; とは言え、逆にトランプ大統領がこの本を読んでいる可能性があって、一部の戦...

邦訳のタイトルとは異なり、アメリカの 2010 年代の世界戦略についての提案を述べた本。 戦略としての正しさについては納得がいく内容ですが、流石にトランプ大統領の出現までは予測できなかったんだなぁ。(^^; とは言え、逆にトランプ大統領がこの本を読んでいる可能性があって、一部の戦略が実現されつつある気もします。 そう思えば、結構正しい予測だったんだなぁ。 ここまで正しいものを出版してしまって良かったのか疑問に感じないでもありませんね。(^^;

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2019/01/04

アメリカが中国よりも、むしろ日本を仮想敵国(将来の武力衝突)として扱っているところに驚く。まあ驚くと言うよりやっぱりかなというかんじかな。

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2018/10/19

題名が『続・100年予測』とあるので、『100年予測』の続編と思い読み進めるとどうも書いてある内容が合わない。原題を調べてみると『The Next Decade』…次の10年!? 前作が話題になったのでそれに乗っかっちゃったのか、期待していた内容と違い肩透かしを食らう。 内容はア...

題名が『続・100年予測』とあるので、『100年予測』の続編と思い読み進めるとどうも書いてある内容が合わない。原題を調べてみると『The Next Decade』…次の10年!? 前作が話題になったのでそれに乗っかっちゃったのか、期待していた内容と違い肩透かしを食らう。 内容はアメリカを中心とした比較的最近の話題をベースに短期的な予測についての記載となる。まったく無関連な本として読むほうが良さそう。

Posted byブクログ

2017/05/11

・日本では小さな変化を起こすのは難しいが、とてつもなく大きな  分裂や変容が、一気に起きることがある。 ・日本がゆっくりと変化することはない。  日本の変革は、地震から生じる。 ・アメリカは、北東アジアの真の強国、日本に焦点を移すだろう。  日本は世界第三位の経済大国であ...

・日本では小さな変化を起こすのは難しいが、とてつもなく大きな  分裂や変容が、一気に起きることがある。 ・日本がゆっくりと変化することはない。  日本の変革は、地震から生じる。 ・アメリカは、北東アジアの真の強国、日本に焦点を移すだろう。  日本は世界第三位の経済大国であり、地域最大の海上軍備を擁する国。 ・大統領は、制度であり個人でもあるという点で他に類を見ない機構。 ・ロシアは、長期的には弱い国。 ・西太平洋地域の最大にして長年にわたる敵対関係は、中国と日本。 ・日本の工業国としての存立は、アメリカがシーレーンの安全を  確保してくれるかどうかにかかっている。 ・中国が弱体化すれば、日本は思うまま力を誇示できるようになる。  アメリカの対日戦略は、中国が分裂しないよう手を打つこと。 ・アメリカが日本と戦争になった場合、韓国、オーストラリア、  シンガポールが重要な同盟国となる。 ・海洋を制する者が、最後には国際貿易を制する。 ・アメリカ大統領の行う決定や突然の政策変更によって影響をうけ、  しばしば被害を受けるのは、むしろアメリカ以外の国の一般市民。

Posted byブクログ

2017/01/09

2010年代に起こる可能性のある,世界各国間で関係や情勢の変化を論じ,その上でアメリカはどう振る舞うのが望ましいかを考察する内容.アメリカが世界経済の1/4を単独で占め,世界の海洋を支配するに至ったことはすなわち,アメリカが事実上世界帝国になってしまったということを意味しており,...

2010年代に起こる可能性のある,世界各国間で関係や情勢の変化を論じ,その上でアメリカはどう振る舞うのが望ましいかを考察する内容.アメリカが世界経済の1/4を単独で占め,世界の海洋を支配するに至ったことはすなわち,アメリカが事実上世界帝国になってしまったということを意味しており,従ってアメリカは大統領が主導する下に国として,すなわち国を構成する一人ひとりの国民というレベルで,今後10年の間にその事実をはっきりと受けとめ,それにふさわしい思考とそれに基づく行動をとるよう「成熟」する必要があると説く. 大局的に見ればこれからの10年は,冷戦終結から今に至るまでの,一貫した戦略のない「堕落した」外交政策の埋め合わせをしながら,各国を近隣で拮抗する勢力を持つと常に対峙させておくことが肝要だとする. 前の「100年予測」と比べると,ドイツやフランスの立場に対する評価がやや変わっており,特にドイツはロシアに対峙する勢力ではなく,むしろ同盟を築いてアメリカの覇権を脅かす可能性がある勢力と見なされている.また,「100年予測」では,南米に脅威が出現する可能性は無いと述べていたところを,本書ではブラジルが地域覇権国となり,大西洋対岸のアフリカを指向して海軍力を増強する可能性に,長期的な視点から言及し,これを防ぐためにアルゼンチンと協力的関係を築くことを提案している. なお,著者のサイト(https://www.geopoliticalfutures.com/)のコラムによると,著者はTrump大統領が,既存の国際関係や二国間協約によってアメリカの行動の自由が奪われたり,またそれに基づいてアメリカが打つ手を他国に見透かされたりすることを嫌っていること,その上で国際社会の中での道義的責任から離れて,アメリカ自身の利益にかなう外交政策を取る必要があり,また地域レベルの紛争は可能な限り,当事国や近隣国の負担によって解決されるべきだと考えていることを,好意的に評価しているようである.こうした考えの現れとして,共和党の候補者が決まっていなかった段階で既に,「こうした見方は彼ではないにせよ,未来の大統領の誰かしらが履行するだろう」と述べている. 一方で,彼の侮辱的な発言は国内の分裂を助長するものとして危惧しており,特にベトナム戦争で捕虜になったことのある共和党のMcCain氏について「彼は英雄ではない,私は捕虜にならない兵士を好む」と発言したことについては,大統領の決定に基づいて前線で戦う兵士の戦意を傷つけると警鐘を鳴らしている.

Posted byブクログ