1,800円以上の注文で送料無料

一遍と時衆の謎 の商品レビュー

3

2件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    0

  3. 3つ

    1

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2019/11/26

第1部 遊行・一遍上人と時衆―いかなる人々なのか(『大菩薩峠』の「遊行上人」;戦前期における「一遍」と「時宗」―不遇の時代;戦後の「一遍」と「時宗」―再評価の時代;阿弥衆の謎;「世阿弥」と「お国」;網野史学と「時衆」) 第2部 『一遍聖絵』の世界―遊行・一遍上人の生涯(『一遍聖絵...

第1部 遊行・一遍上人と時衆―いかなる人々なのか(『大菩薩峠』の「遊行上人」;戦前期における「一遍」と「時宗」―不遇の時代;戦後の「一遍」と「時宗」―再評価の時代;阿弥衆の謎;「世阿弥」と「お国」;網野史学と「時衆」) 第2部 『一遍聖絵』の世界―遊行・一遍上人の生涯(『一遍聖絵』;出生から再出家まで;旅立ちから熊野まで;遊行の旅へ;時衆の誕生;京都に入る;旅のなかで;入寂の地へ) 著者:桜井哲夫(1949-、足利市、社会学)

Posted byブクログ

2014/11/09

<目次> 第1部  遊行・一遍上人と時衆~いかなる人々なのか 第2部  『一遍聖絵』の世界~遊行・一遍上人の生涯 結びに代えて <内容> 思ったような一遍をめぐる歴史書ではなかった。なので当初はやや当惑しながら読んだが、著者の時宗(時宗寺院の僧侶であり社会学の研究者)への気持ち...

<目次> 第1部  遊行・一遍上人と時衆~いかなる人々なのか 第2部  『一遍聖絵』の世界~遊行・一遍上人の生涯 結びに代えて <内容> 思ったような一遍をめぐる歴史書ではなかった。なので当初はやや当惑しながら読んだが、著者の時宗(時宗寺院の僧侶であり社会学の研究者)への気持ちがよくわかるとともに、時宗への興味がわく内容だった。編集の最初が『大菩薩峠』から始まり、なぜか鎌倉期のことがない。それは、あとがきにある、明治期の廃仏毀釈・国家神道への改悪とその反動から鎌倉新仏教が評価される中で、時宗のみが評価されず(それは新仏教の多くが、「神祇不拝」の中、時宗が神社と密接な関係があったから)、単なる「踊念仏」の陶酔的・退廃的教義だったとされたとあり、それが徐々に評価されるようになり、網野善彦の諸研究が決定打だったことを示すためだったからだ。第2部では『一遍聖絵』を読み解くように(絵ではなく、詞書と和歌や和賛などから)一遍の生涯を辿る。こちらは歴史的というよりも宗教的な読み説きだと思う。

Posted byブクログ