さみしくなったら名前を呼んで の商品レビュー
女子高生、田舎から都会へ出た女性…など若い女性のショートストーリー。 冒頭の「さよちゃんは~」から女子の心情描写がリアルだった。気詰まりな空気感とか。 装画:山下陽子「星の誕生」
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短編集。女子の恋愛感情が火山の噴火のごとく激しく噴出している。何で女はこんなに恋愛に必死になれるのか。異性への依存度が高いからなのか。こういうのは男の作家には書き切れない感情だと思う。 最後の章のセフレには笑った。これは地方の小都市の恋愛事情みたい。これではまるで結婚して子供産ん...
短編集。女子の恋愛感情が火山の噴火のごとく激しく噴出している。何で女はこんなに恋愛に必死になれるのか。異性への依存度が高いからなのか。こういうのは男の作家には書き切れない感情だと思う。 最後の章のセフレには笑った。これは地方の小都市の恋愛事情みたい。これではまるで結婚して子供産んでというパターンをなぞるように生きるしか道が無いみたいだけど、自らを振り返れば二十歳の頃に結婚などは一番あり得なかった。地方は選択肢が限られているのかな。人と違う生き方だと排除されそうで怖い。
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15/02/24 山内マリコさん三冊目。このひとはほんとすてきなタイトルつける。 ・主婦の座にどっしりとあぐらをかいている女性たち。わたしも早くああなりたい。あんなふうに半径ニキロ圏内の安全な世界でちんまり暮らしたいなぁと、密かに憧れていました。(P10『さよちゃんはブスなん...
15/02/24 山内マリコさん三冊目。このひとはほんとすてきなタイトルつける。 ・主婦の座にどっしりとあぐらをかいている女性たち。わたしも早くああなりたい。あんなふうに半径ニキロ圏内の安全な世界でちんまり暮らしたいなぁと、密かに憧れていました。(P10『さよちゃんはブスなんかじゃないよ』)
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ケイコの東京での生活を満喫しつつも、川越出身という後ろめたさを感じつつも川越への愛に溢れた「ケイコは都会の女」がショートショート並の短さに凝縮されていて一番よかった。 全体的に芸能人や映画のタイトルだとか、リアルなモノが出てくるので想像しやすい。 あと、タイトルがすごくよいのに、...
ケイコの東京での生活を満喫しつつも、川越出身という後ろめたさを感じつつも川越への愛に溢れた「ケイコは都会の女」がショートショート並の短さに凝縮されていて一番よかった。 全体的に芸能人や映画のタイトルだとか、リアルなモノが出てくるので想像しやすい。 あと、タイトルがすごくよいのに、それにつながる表題作がないのが残念。
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読み始めたら止まらなくなり、久しぶりに一日で読み終わった本。文体はかなり軽く、すらすら読める。内容も良く言えば今風、悪く言えば俗っぽい。 しかし、しかし。一番始めの作品のタイトルを見れば、その痛切すぎる薄っぺらさはわかってもらえるだろう。「さよちゃんはブスなんかじゃないよ」である...
読み始めたら止まらなくなり、久しぶりに一日で読み終わった本。文体はかなり軽く、すらすら読める。内容も良く言えば今風、悪く言えば俗っぽい。 しかし、しかし。一番始めの作品のタイトルを見れば、その痛切すぎる薄っぺらさはわかってもらえるだろう。「さよちゃんはブスなんかじゃないよ」である。うっ、うっ(涙)。 見える世界が全てだったあの頃の閉塞感と絶対感、でも振り返ってみると全てがあまりにフラットでびっくりしてしまう。そこに懐かしさなんてものはなく、けれど自分にはあの時間しかなくて、まだ何物かの存在を探し求めている。 寄りかかることを軽蔑しつつ、自分の存在に疑いを持ったまま、いつの間にか大人になっている、今の私。そんな青くて狭くて、でも必死だったあの頃がひりひりと身に染みるとともに、もう自分はあの頃とは違うんだな、ということにほっとする気持ちも覚えた。 許されていた、と言えばいいのだろうか。夢を見ていてよかった、自分もいつか……と思っていてよかった、そんな時間があったからこそ、今の私がいるのかもしれない。当時の私は、それを「許されて」いた、などとは考えもしなかったが。
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素晴らしい! あねもね組の中でも、今後をもっとも期待する存在です。 短編って、物語世界に入るまでのエネルギーを要する割には、やっとエンジンがかかってきたと思ったら、もうばいばいの時間、みたいなのがあって、最近はほとんど読まなくなってました(読むのはもっぱら長編か、短編でも連作短編...
素晴らしい! あねもね組の中でも、今後をもっとも期待する存在です。 短編って、物語世界に入るまでのエネルギーを要する割には、やっとエンジンがかかってきたと思ったら、もうばいばいの時間、みたいなのがあって、最近はほとんど読まなくなってました(読むのはもっぱら長編か、短編でも連作短編ばかり)。でもこれはひとつひとつが、まるで違う世界でありながら、山内マリコの世界の住人というゆるい共通点を持っていて、みなが個性的できらきら輝いていて、ぜひ全部長編にして欲しいというくらい。 どれも好きだったけれど、いちばん印象に残ったのは、年長者との恋におぼれてセンター入試をさぼっちゃうお話(大人になる方法)。「遊びの時間はすぐに終わる」は、「ここは退屈、迎えにきて」とほぼ近い世界観で、そういう意味で短編集の最後として、知っているところに戻ってきた感じです。繰り返し読みたくなる本でした。
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ラストの「遊びの時間はすぐ終わる」で★4つに。 前作2冊に続いて、どれもタイトルが秀逸。 そして、装丁が気に入った人にはきっと小説自体も響くと思う。 本文の文字色も好き。一瞬、視力が落ちたかとも思ったけれど。
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山内さん前作の「ここは退屈迎えに来て」より好きだった。 文章から絵が想像できるような、逆に絵から物語が語られているような、不思議な本だった。 なんとも言えない懐かしさとか、空虚感とか、切なさの表現の仕方にとても共感しました。
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「さみしくなったら名前を呼んで」 というタイトルに猛烈に惹かれて購入した1冊。 いくつになっても女子の不安定さっておもしろいなぁ。女子にしかきっとわからないけど、女子なら誰でも思い当たる。 そんな11種類の不安定さがつまっている。 装丁もすてき。
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デビュー作が気になりつつ、読んだら切なくなりそうだと後回しているのだが、ついこちらを先に読んでしまった。好きだわ。 同じ歳ということもあり、出てくる用語とか諸々いちいち分かりやすくてやっぱり切ない。いよいよ読まなきゃか。うう。
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