建築探偵術入門 の商品レビュー
復刻版で本書を読めたのは幸いだったが、あとがきの年・昭和61年には残っていた建物も、現存する数が減っている。明治から昭和初期(戦前)にかけて建築された洋館・西洋風建物は、外観だけ観ても飽きることがない。貧富の差があればこそ、一部の人間が贅を凝らした建物を建てられた面は否めないが…...
復刻版で本書を読めたのは幸いだったが、あとがきの年・昭和61年には残っていた建物も、現存する数が減っている。明治から昭和初期(戦前)にかけて建築された洋館・西洋風建物は、外観だけ観ても飽きることがない。貧富の差があればこそ、一部の人間が贅を凝らした建物を建てられた面は否めないが……今は没個性的な現代住宅の間に、古き良き時代の建築物が残されていることで、際立って見えるということもあろう。読メ読み友のレビューを参考に、今は『建築探偵の冒険・東京編』を読んでいる。こちらも面白い!
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これは確かに奇書良書。笑 西洋館への愛が漲ってます。もちろん建築探偵団の学術的、専門的知識量の確かさを感じられるんだけど、それ以上に、建築と対峙するときにはこういう素直な好奇心や感性を忘れちゃダメだなと思いました。
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およそ30年ぶりの復刊。「東京建築探偵団」は、明治〜大正〜昭和(戦前)に建てられた「西洋館」のもつ《異物性》《用途の多様性》《デザインの多様性》に注目、そうした「西洋館」を自分の目と足で見つけ出し、生け捕りにしようという知的な狩猟のような試みである。 冒頭、「建築探偵『九つの心...
およそ30年ぶりの復刊。「東京建築探偵団」は、明治〜大正〜昭和(戦前)に建てられた「西洋館」のもつ《異物性》《用途の多様性》《デザインの多様性》に注目、そうした「西洋館」を自分の目と足で見つけ出し、生け捕りにしようという知的な狩猟のような試みである。 冒頭、「建築探偵『九つの心得』」が箇条書きにされているが、そのなかの「二、建物は手で見るをもって上とす」にはこんなふうに書かれている。「すぐ写真を撮るのは下」。町でこれという建物と出会ったら、まず眺め、手で眺め、そうしてペンを握りスケッチをすること。なぜなら「写真頼みの記憶は色褪せやすい」からである。納得。 ここに取り上げられた「西洋館」は、この30年の間にかなりの数が姿を消した。バブル期の再開発で取り壊されたものが多いような気がする。メンバーのひとり藤森照信氏があとがきに言うように、たしかにその意味ではもはやこの本はガイド本としては役立たずということになる。が、しかし、その後も、東日本大震災、2020年に開催予定の東京オリンピックを理由に古い建物はどんどん、なんの未練も躊躇もなく取り壊されている昨今、ぼくらも「建築探偵」にならって、自分たちが生きた時代を、ひとりひとりがその目と足と手で記憶に刻んでゆくべきときなのかもしれない。そういう意味で、いまだアクティブな一冊。
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【幻の名著が待望の復刊!】街に埋もれた謎の西洋館を見に行こう。都市開発の波にのまれて残念ながら取り壊されてしまった懐かしいビルも多数収録。
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建築という景色を如何に解釈するか,それはその人の人生そのもの.これらのどれだけが50年後に残っているのかを考えると哀愁をも感じる.人間とは斯くも儚いものであることよ.
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なつかしさにうっかり購入。 28年前のこの本に収められた東京と横浜の西洋建築230のうち今はすでにないものも少なくはないので資料的価値もあり。 あとがきのあとがきを読んで、そうなのか! と感慨深く思った。藤森照信を筆頭とする建築探偵団員6人のうち二人がすでにこの世にないのもさびし...
なつかしさにうっかり購入。 28年前のこの本に収められた東京と横浜の西洋建築230のうち今はすでにないものも少なくはないので資料的価値もあり。 あとがきのあとがきを読んで、そうなのか! と感慨深く思った。藤森照信を筆頭とする建築探偵団員6人のうち二人がすでにこの世にないのもさびしいが、こうしたかけがえのない仕事が残っているのがせめてものなぐさめ。
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