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ブレトンウッズの闘い の商品レビュー

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3件のお客様レビュー

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2019/08/09
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ソ連のスパイと言われたハリー・ホワイトという米国官僚と、英国の経済学者メイナード・ケインズが、第二次世界大戦後の世界経済の安定を目指して、IMFや世銀の設立について闘った話。 元々米英で話し合っていたが、ハリーがケインズの反対を押し切って他国を巻き込み、ブレトンウッズでは小委員会に分割して議論を掌握し、ケインズを舞台に立たせずして勝利した。 ハリーがソ連のスパイであった話も詳述されており、日本が真珠湾攻撃をするきっかけとなったハル・ノートに関わっていたことも記載されている。 長くて難しいけど、楽しく読めました。

Posted byブクログ

2015/07/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ブレトンウッズ体制が生まれた背景、舞台裏がこれほどリアルに語られている本はないのではないだろうか。 それ以上に、わたしたち日本人にとって、この会議の主役のアメリカ財務長官補佐のホワイトが、アメリカとの開戦を決断させたハルノートの起案者であったこと。そしてなぜ彼がそこまで日本を追い詰めたかという理由が書かれていて非常に興味深かった。 ケインズとホワイトの闘いも面白かったが、ケインズは私の中では経済学者としてのイメージが強かったが、この本を読むと政治家であり、外交官の側面が良くわかった。 非常に骨太の歴史書として、人間ドラマとして第一級の作品。読みおえるのに時間がかかったが素晴らしい出来の作品。ぜひ多くの人に読んでいただきたい。

Posted byブクログ

2018/10/19

150131 中央図書館 第二次世界大戦の終結が迫る頃、ニューハンプシャーのブレトンウッズで、英国の立場を代表するケインズと、アメリカを中心とした新秩序の構築を目指すホワイトは、新たな国際通貨体制の構想を巡る協議の場で、知力のしのぎを削った。結果、稀代の経済学者ケインズをもってし...

150131 中央図書館 第二次世界大戦の終結が迫る頃、ニューハンプシャーのブレトンウッズで、英国の立場を代表するケインズと、アメリカを中心とした新秩序の構築を目指すホワイトは、新たな国際通貨体制の構想を巡る協議の場で、知力のしのぎを削った。結果、稀代の経済学者ケインズをもってしても、戦費のため財政危機を抱えた英国は、戦後世界が基軸ドルで覆われることをついに阻止できなかった。 アメリカ=ドルのドミナントを希求するか、それに反を唱えるかの違いはあっても、ホワイトもケインズも、世界の安定のためには自由貿易の下で各国の経済が安定すること、通貨の安定が重要であって、そのために国際通貨が適切に運用されることを目指した。しかしブレトンウッズ体制もまた、国際ルールと国家の自由裁量権の矛盾を解決する魔法の仕掛けでなかったことも、また確かである。 21世紀の信用危機でも、各国首脳はブレトンウッズを思い起こし、新世代の国際通貨のあり方に思いを凝らしたに違いない。 サイドストーリーとして、ホワイトがソ連の協力者であったとの話がヨコ糸で描かれているが、そのことはあくまで余話であろう。

Posted byブクログ