カクテル・ウェイトレス の商品レビュー
うーむ、再読してみればわかる、奥深さ 過去(2014年12月)の感想はこうだった ***** カバーの絵がキュートなジェームス・M・ケインの小説 有名なベストセラー『郵便配達は二度ベルを鳴らす』を初読 なるほど生きのいい面白さ! ところがケインの幻の遺作というので一緒に...
うーむ、再読してみればわかる、奥深さ 過去(2014年12月)の感想はこうだった ***** カバーの絵がキュートなジェームス・M・ケインの小説 有名なベストセラー『郵便配達は二度ベルを鳴らす』を初読 なるほど生きのいい面白さ! ところがケインの幻の遺作というので一緒に購入した 『カクテル・ウエイトレス』がなんとも面白い 子持ちのうら若き未亡人が初老の富豪に見初められて おさだまり、貧乏なハンサム青年にも心惹かれ さてどうすのるか? っていう通俗が、あら、あら、あーらら なまなかな女ではないのよね、でも、最後が... ***** という簡便な感想だったが再読してみると、奥深いメッセージがわかってくる。 DV夫が酔った末自動車事故で死んで、幼子と無一文で残された21歳のジョーン・メドフォードは、恵まれた容姿(すらりとした脚、金髪碧眼)を生かして、カクテル・ウェイトレスをすることに ハンサム貧乏青年や初老の富豪に巡り合う機会があるのは当然、ハンサムに惹かれ、見るもの嫌なのにそのお金持ち老人に屈服してしまうその展開はさもありなん。 さて、どうするのか、手に汗握る展開なんだけれど、ヒロインが語ることによって味わいあり秘密めく。 計算高い利口な女が揺動し、聖女(ぶってるのか)の品性が明滅するようでいて、とんでもない悪女か? 賢い女性の品格もほのあるような、最後まで分からない、そのミステリーアスなところ、女性は少なからず、こういうところがあるのだ、と言っていい。
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いわゆる、悪女のピカレスクロマンなのだが、ケインという作家は、「郵便配達は〜」のみ有名で、他には手に入らないの球が、この 作品は良かった。 しかし、一般には売れてないので、近々品切れだろう。 残念である、
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語り口(文章)はよく、主人公女性の人間性の臭みを的確に捉えて描いている。代表作『郵便配達は二度ベルを鳴らす』でも同様に感じられたもので著作に通底する美質かと思う。ただ比較すると本作は冗長な感じで、それは代表作の倍もある頁数のその印象もあるのかもしれないけれど、登場人物たちの思いを...
語り口(文章)はよく、主人公女性の人間性の臭みを的確に捉えて描いている。代表作『郵便配達は二度ベルを鳴らす』でも同様に感じられたもので著作に通底する美質かと思う。ただ比較すると本作は冗長な感じで、それは代表作の倍もある頁数のその印象もあるのかもしれないけれど、登場人物たちの思いを寄せるこの主人公にあまり魅力を感じなかったことの方が大きかったように思われる。また物語の成り行きもご都合主義的なものが感じられた。それでも力ある筆致に惹かれて最後まで退屈することはなかった。
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登場人物各々の欲望がありありと描かれている。結構好きな作品。 解説で圧倒的な大衆娯楽性があると書かれているように、身近な感情に訴えかけてくるものがある。 プロットは面白くないが、人物描写の深さで読ませてくれる。
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男性運が悪く人生に翻弄される淑女か、はたまた打算と美貌を売りに男性遍歴と殺人を繰り返す世紀の悪女か、一番知りたいそれが明かされることなく話が終わる。 著者は前者のように持って行きたかったような気がするが、私は後者だと勘ぐってしまう。 ジェーンのみの語りによって話が進行するので公平な視点というのはない。 ただ、並外れて魅力的な女性なんだろうとは思う。
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作品は、全般的には一連の事件後の主人公による回想で、一人称の語りだ…これが、なかなかに好い… 何か「甦った古典」という感であると同時に、「敢えて“一寸昔”を作中世界とした新作」という感でもある。この女…悪女なのか?周辺事態が悪い方へ転ぶばかりなのか?何か不思議な感でもある…
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