あかんべえ の商品レビュー
上下巻に分かれた新潮版ではなく、1冊のPHP版を選択、690頁也。 舞台は江戸、いわく付きの土地と知らずに料理屋を始めた夫婦。その娘で12歳のおりんには、亡者を見るのみでなく彼らと会話する能力が備わっていた。 そんな物語ですが、そもそもそこに店を持つまでの経緯も面白く、分厚さ...
上下巻に分かれた新潮版ではなく、1冊のPHP版を選択、690頁也。 舞台は江戸、いわく付きの土地と知らずに料理屋を始めた夫婦。その娘で12歳のおりんには、亡者を見るのみでなく彼らと会話する能力が備わっていた。 そんな物語ですが、そもそもそこに店を持つまでの経緯も面白く、分厚さが全然苦痛にならず。本を開く手は痛いけど(笑)。おりん、はよ「見える」ことを明かしてしまえ〜と叫びたくなることしばしば、大騒動を含むラスト150頁には涙がにじむ。妬み嫉みの気持ちが消えるならば、亡者になるのも悪くないなんて思ったりもして。
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怪談嫌いだけれど、登場する不思議な存在との心強いやりとり、切ない別れ…そして最後のビックリ。 宮部みゆきは、登場人物に愛着を持たせるのが本当に上手だとおもう。
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読後の感想は面白かった!です。 早速、つぎの宮部みゆきを読もうと探したくらい、 面白かったです。 まぁ、面白いという感想で果たしていいのか、と言えば、 違うかなという気もするのですが。。。 もっと自分の感想を分析するなら、 「切なかった」「悲しかった」「愛おしく感じた」などなどの...
読後の感想は面白かった!です。 早速、つぎの宮部みゆきを読もうと探したくらい、 面白かったです。 まぁ、面白いという感想で果たしていいのか、と言えば、 違うかなという気もするのですが。。。 もっと自分の感想を分析するなら、 「切なかった」「悲しかった」「愛おしく感じた」などなどの模様が表れては、そこに止まらず浮遊している感じなので、最後のまとめの感想が「面白かった」という一言にしたというのが本当です。 とくに個人的には、ラスボスという立ち位置のお寺の住職が亡者として主人公おりんの前に立ちはだかるあたりから、 鳥肌がたつくらい興奮しました。 あまりに怖くて、あまりに悲しくて、あまりに切なくて。 亡者となり怨念のこの世に残しながら、新たな罪を重ね、仏に問うその住職の怨霊が凄まじく飢えている様がビンビンと伝わってくるのです。 この怨霊がもつ苦しみは実はみんなが持っているものではなかろうか、誰が「非」とうちすてることができるだろうか、と思いました。 そして、最後のシーンはすべての蒙が払われていく様が丁寧に描かれていて、私自身もその場に立ちすくみ、ことの成り行きを見守っているような臨場溢れ、迫力ある筆致で、作者宮部みゆきの力量を感じ入ったものです。。。 本当に胸に深く染み入る本でした!!!
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幽霊がみえる料理屋の娘おりんが、料理屋に居着く幽霊たちの哀しい事情を解きほぐしていく。 幽霊達のやさしさと、人の心に巣くう闇を目の当たりにしながら、名前のとおり、涼やかで暗い闇の中に澄み渡る鈴の音の様なおりんが愛おしい。
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カバー裏を読んでも帯を読んでも怖そうだけど、主人公のおりんがけなげで、おりんの周りの大人たちも真面目に一生懸命生きていて、出てくる亡者たちも話をすれば人のいい(?)亡者たちで、この世界好きだわ~と思いながらぐいぐい読む。 読み進めるにつれ、笑顔の裏の涙や憎しみ、とっつきにくい人...
カバー裏を読んでも帯を読んでも怖そうだけど、主人公のおりんがけなげで、おりんの周りの大人たちも真面目に一生懸命生きていて、出てくる亡者たちも話をすれば人のいい(?)亡者たちで、この世界好きだわ~と思いながらぐいぐい読む。 読み進めるにつれ、笑顔の裏の涙や憎しみ、とっつきにくい人の中にある優しさ、そういうものが捩れて捻じれて、がんじがらめになっていく人たちが見えてくる。 怖いのは亡者ではなくて、執着を捨てきれない人間なのだなあ。 執着を捨てきれない人間のなれの果てが亡者なんだけど、そちらはなんというか達観していていいのだわ。 玄之介さま、亡者であっても惚れますた。 700ページほどの分厚い文庫本ですが、面白くてほぼ1日で読んじゃいました。 宮部みゆきの時代物は、大好き。
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おりんという少女は死の淵を彷徨っていたが、 なんとか一命を取り留めるとなんとお化けが見えるようになっていた。 少女でありながら少しづつ大人の感性を得つつ、お化けたちと共に問題を解決していく・・・ ページ数は多め。 ただし、やはり宮部みゆきの時代ものは読みやすい。 おりんの成長と共...
おりんという少女は死の淵を彷徨っていたが、 なんとか一命を取り留めるとなんとお化けが見えるようになっていた。 少女でありながら少しづつ大人の感性を得つつ、お化けたちと共に問題を解決していく・・・ ページ数は多め。 ただし、やはり宮部みゆきの時代ものは読みやすい。 おりんの成長と共に話を進めていける。
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料理屋ふねやの一人娘おりんの周りにいつくお化けたちの成仏するまで。 長かったけど、全て落着してすっきり。 お寺の坊さんが仏を信じられぬとこらから始まる。 ふんわりした挿し絵に救われていたけど、これが実写化したらかなり怖い…
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宮部みゆきさんの時代物は、毎回心を動かされてしまう。 悲しくもあり切なくもあり暖かくもある。 この世のものでないものと心が通じてしまったことが、羨ましくも思えてしまうほど、ほっこりした素晴らしい作品でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
三途の川の水を舐めたおかげで色々なお化けが見えるようになったおりんちゃんがふね屋にいついた地縛霊?を成仏させる物語。 一人ひとり成仏させていくのかと思いきや全員がひとつの事件に結びついているのは意外と言えば意外だけど面白い。 それぞれのお化けのキャラ立ちがいいだけにもうちょっと物語を書いてくれるとよかったような気も。 とはいえさすがは宮部先生読ませる文章で満足の★4つで。
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宮部みゆき作品と言われて僕が思い起こすのは「火車」であり「理由」であり「模倣犯」である。このあたりはひととおり読んだけど、面白いけど格別好きと言うことも無く、その後そのままにしていた。だから江戸もの好きにもかかわらず、彼女がそれをたくさん手がけてることを知らなかったという不勉強。...
宮部みゆき作品と言われて僕が思い起こすのは「火車」であり「理由」であり「模倣犯」である。このあたりはひととおり読んだけど、面白いけど格別好きと言うことも無く、その後そのままにしていた。だから江戸もの好きにもかかわらず、彼女がそれをたくさん手がけてることを知らなかったという不勉強。それが最近、ある本読みに「宮部みゆきは江戸ものですよ」と勧められ、帰りの機内で手にしたのがこれ。読み慣れない雰囲気にほんの一瞬戸惑ったけど、すぐに世界に入り込めちゃった。ミステリー作家としての本領も垣間見せる話運びと、僕が普段好きで読んでいるのとはまた違った人物描写、そしてちょびっとビターさもあるストーリー。その人が言う「宮部みゆきの江戸ものは女なんですよ」というのを思い出して得心。この世界は、女性の眼から見た江戸であり、深川なのだ。いつも似たような作家の本ばかり読まず、広く読むことの面白さを再認識。年の瀬、良い経験しました。そして随所に出てくる飯がうまそうで。しかも巻末に簡単なレシピのおまけ付き。いいねえ。しばらく宮部みゆきの江戸もの、読み込んでみようかな。
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