村上春樹 イニシエーションの物語 の商品レビュー

徐忍宇(著者)

2013/06/25

人生というものはその渦中にある人々が考えているよりはずっと限定されたものなのです。人生という行為の中に光が差し込んでくるのは限られたほんの短い期間のことなのです。

金日成をいまだにビッグブラザーにしている北朝鮮。ある意味世界でもっとも隔絶された世界であり事実上の島国。
スプートニクの恋人のミユウは韓国人。父親の銅像は金日成なのか？共産主義的なタイトル。

そもそも日本文学が嫌いでありながら日本文学を書いていた村上にとって、日本文学からの激しいバッシングは深刻なアイデンティティの危機をもたらしたに違いない。