不動産を買うなら五輪の後にしなさい の商品レビュー
賞味期限がある本(オリンピックの時期から離れれば離れるほど読む価値は低くなる)。 しかし、章によっては普遍的に使えるのもある。 第1章(ライフプランの意義やマイホームの事業化)や4章以降(住宅購入のテクニック)は知っておいて損はない内容。
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夫婦共働きで、23区内在住希望。子供が小さい間は祖父母や親戚の手も借りたいと、地域を限定して一戸建て建築を目論む私たち夫婦に、父が手渡した一冊。 「今は買い時ではない」と説得するために渡されたのだが、それでも買うに値する理由はないか、探しながら読み進める。 大まかなライフプランを描く、持ち家と賃貸のメリット・デメリットを整理する、住宅購入の適齢期を見極める(家族形態がほぼ決まり、職務歴があって判断力が伴う段階になってからの購入を推奨)などのポイントは、他のFPと同様の指摘だが、とくに「持ち家の事業化」という観点が著者の特徴。 自分で物件を調査し、物件の取扱説明書を作成することを推奨(広域地図、ゼンリン社住宅地図、地価マップ、犯罪情報マップ、ハザードマップ、過去地図(図書館で入手可能)などを見ながら、実地で確認)する。 中古になった場合でも、駅から遠い物件は資産価値の劣化が早い(単純に駅近圏の土地が少ないから)。少子高齢化を見据えて、ローン終了後にも資産価値が高い、需要の強い地域を選ぶ視点を重視する。著者は、少子高齢化、人口減少、共働き化を背景に、住宅都心回帰を強調している。 将来の動向予測として、人口減少、都心回帰、所得格差(パワーカップルの都心志向)の、都心物件の増加(行政が定期借地権付き物件を民間に貸し出す、容積率を見直して公共施設の建て替え時に一部を民間に貸し出すなど)、生産緑地規制の緩和、資材の高騰などを引用して解説。今後、物価上昇に応じて不動産価格も向上するものの、五輪後の反動に耐えられるほどの構造転換は難しいことから、長期保有を考えるなら五輪後の供給過剰が指摘される都心マンションなども、慌てない方がいいとする。
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