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運転、見合わせ中 の商品レビュー

2.9

45件のお客様レビュー

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2014/09/19

ある路線の電車が運転を見合わせとなったときに、そのトラブルに立ち会った人たちを描いた群像劇。連作短編集。止まってしまった電車にかかわったことで、その人の人生がほんの少しだけれど、少し前を向いていることが読んでいて胸がほっこりしました。登場人物が何だかちょっと軽めの人が多かったかな...

ある路線の電車が運転を見合わせとなったときに、そのトラブルに立ち会った人たちを描いた群像劇。連作短編集。止まってしまった電車にかかわったことで、その人の人生がほんの少しだけれど、少し前を向いていることが読んでいて胸がほっこりしました。登場人物が何だかちょっと軽めの人が多かったかな。電車が運転見合わせとなり走り出す様子が、登場人物たちが立ち止っている場所から、少しずつ歩き出す姿と重なるのはうまいなあと思う。

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2014/09/17

朝の通勤時間帯(ちょっと遅め)に突然の運休。そんな私鉄電車に乗り合わせた6人と駅員のその日をつづる短編集。 なんて言われて飛びついたんだけど、すっごく残念! 一人ひとりのコンセプトは面白いのに、ストーリーはちっとも面白くない。おまけに、みんな軽い。ぜんぜん軽くなるような状況じゃな...

朝の通勤時間帯(ちょっと遅め)に突然の運休。そんな私鉄電車に乗り合わせた6人と駅員のその日をつづる短編集。 なんて言われて飛びついたんだけど、すっごく残念! 一人ひとりのコンセプトは面白いのに、ストーリーはちっとも面白くない。おまけに、みんな軽い。ぜんぜん軽くなるような状況じゃなくても軽い。というか、軽いとしか感じさせられない。軽い気持ちでセックスしちゃうし。 期待感大きかった分、不完全燃焼でした。

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2014/09/09

「運転、見合せ中」の電車にまつわる連作短編集。だが最後の二作品は、肩透かし。 ...

「運転、見合せ中」の電車にまつわる連作短編集。だが最後の二作品は、肩透かし。 2014.9.9

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2014/09/01

ああ、「運転、見合わせ中」ってそういう意味なのか。 ひと通り読んだときには気が付かなかった。ただ、どうしてこんなにふわふわした人たちばっかり出てくるんだろう、と思っていた。みんなそこそこいい加減で、甘ったれてて、利己的で。 畑野さんの描く人物には、どこかいつも、すっと刷毛でなでた...

ああ、「運転、見合わせ中」ってそういう意味なのか。 ひと通り読んだときには気が付かなかった。ただ、どうしてこんなにふわふわした人たちばっかり出てくるんだろう、と思っていた。みんなそこそこいい加減で、甘ったれてて、利己的で。 畑野さんの描く人物には、どこかいつも、すっと刷毛でなでたような灰色の部分がある。等身大とでもいうのだろうか、誰にでもある、リアルな欠点。あまりにもリアルすぎて、目を背けたくなる部分が、さらっと当たり前のように書かれている。 それでも、大学生、フリーター、OLくらいまではかろうじて共感できる部分があった。 しかし、運転見合わせの原因になった引きこもりと、彼に振り回された駅員の話は、壮大な肩透かしをくらったような気持ちになった。 もう私にはこういう若い人の気持ちがわからなくなってしまったのかなあ。 いや、わかりたくない、と思ったのだ。こんな甘ったれて自分勝手な人にはなりたくない、と思ってしまったのだ。 一つの出来事がいろんな人に影響を与える、というお話は面白いのだが。

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2014/08/26

冒頭─── 久しぶりに一限目の授業に出ようと張り切ってみたら、電車が動いていなかった。 駅に着いたら、人だかりができていて、駅員が何か叫んでいた。文句を言う人の声が重なり、何を叫んでいるか聞こえない。改札の上にある電光掲示板にオレンジ色の文字が流れる。 『飛来物により運転を見合...

冒頭─── 久しぶりに一限目の授業に出ようと張り切ってみたら、電車が動いていなかった。 駅に着いたら、人だかりができていて、駅員が何か叫んでいた。文句を言う人の声が重なり、何を叫んでいるか聞こえない。改札の上にある電光掲示板にオレンジ色の文字が流れる。 『飛来物により運転を見合わせています』 ------飛来物ってなんだよ? 朝のラッシュ時に起きた、謎の理由による電車の運転見合わせ。 電車に乗るはずだった、或いは運転見合わせによって線路で止まってしまった電車に乗っていた人たちの物語。 電車が動かなくなったという些細なアクシデントが起こした人生の転機。 様々なシチュエーションの中で生きる人々がどう変わってしまったのか? 新しい出会いや別れ、旅立ち。 大学生、フリーター、デザイナー、OL、引きこもり、駅員とその出来事に関わった人たちの立場でストーリーは展開される。 『飛来物』と出てきたので、一瞬SFものか? と思ったが、それは『フリーターは------』の章で明らかにされる。 なるほどね、とこの章を読んで納得。 畑野智美独特の平易な表現と相まって、全体的に読みやすく楽しめる。 特に『デザイナーは電車の中』で、電車に一時間以上閉じ込められ、尿意と戦う姿は爆笑ものだ。 私も電車ではないが同じような過去があるだけに、腹を抱えて笑った。 あれはつらい。 冷汗がたらたらと流れ出てくる。 いっそ、冷汗と一緒に尿も蒸発してくれればいいのにと思うのにそうもいかない。 まさに地獄の苦しみだ。 あの苦しみから解放された時の爽快感は、体験した人間でなければわかるまい。 ま、それはともかく、畑野智美の作品、最近面白いのが多いです。 タイトル通りの『運転、見合わせ中』の物語。 ネーミングに座布団三枚あげたい。

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