自然にひそむ数のミステリー の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
私にとっての数学は、何が面白いんだかさっぱりわからない教科で、進学するのに必要だから、しょうがなくお付き合いする、嫌なやつでした。でも、この本の執筆者の一人であるイアン・スチュワートさんはこう言います。「自然の中にはさまざまなパターンが隠されている。人間は、数や形のパターンをみつけ、分類し、利用する方法を発達させてきた。それが数学である。私たちは、数学を使って、自然界の秘密を解き明かしてきた」と。 フィボナッチ数列、という言葉を聞いたことはありませんか? フィボナッチ数列は、フィボナッチというイタリアの数学者によって発見されました。フィボナッチが考えたのはウサギのつがいです。まず、生まれたての1つがいのウサギがいる。このウサギのつがいは1カ月で大人になり、2カ月めから毎月1つがいずつ子どもを産む。するとつがいの数は1、1、2、3、5、8、13、21、34……と増えていく。これがフィボナッチ数列です。この一連の数、実は、どの数も、その前の2つの数を足し合わせたものになっているんです。 1、1、2、3、5、8、13、21、34、……ね。 へー、だから?と思うでしょ? でもあら不思議。パイナップルの実の表面にある模様も、松ぼっくりのあの模様も、ヒマワリの種の並びも、木の枝別れも、みぃんな基本はこのフィボナッチ数列で並んでいるんです。遺伝子が好き勝手に決めたように見えるのに。どうやら、すき間ができて、植物の強度が損なわれることのないように、一定のパターンでぴったり組み立てるときには、このフィボナッチ数列に基づいて、らせん構造のパターンをとると良いようなのです。 この本にはほかにも、自然の謎を解き明かす、様々な数や形のパターンが出てきます。そしてこう呼びかけます。 「もしあなたがこの記事に興味をもったならば、あなた自身が、あなたの身の回りにあるパターンをさがしてみてください。あなたが見つけたパターンが、いつの日にか宇宙を支配する法則を解き明かすことになるかもしれません。」と。 数学は、私が思っていたような、嫌なヤツではなかったのかもしれません。もっとずっとわくわくする謎解きの力を持つものだったのかもしれません。 数がみせる不思議な世界へ招待されたい人に、すすめたい本です
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-内容- フラクタルやエッシャーのだまし絵、暗号、折り紙、生物の模様など、身のまわりの事例から、数学の楽しさを伝える。多数の図版や問題を収録し、数学に親しむ上で役立つ。
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数学の授業は苦手でしたが、この本は図や絵でわかりやすく、 実際に簡単なミステリーに触れることもできるので、楽しいです。
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