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バイオサイコソーシャルアプローチ の商品レビュー

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2015/07/07

家庭医のマニア向け、と思ったけど、そんなことない本でした。理論編の後半はマニア向けかもしれませんが、技法編はかなり勉強になるし、応用編は知っている内容ばかり! BPS(Bio-Psycho-Social)モデルはEngelが1980年に提唱したもの・・・、とは知っていたがそれ以...

家庭医のマニア向け、と思ったけど、そんなことない本でした。理論編の後半はマニア向けかもしれませんが、技法編はかなり勉強になるし、応用編は知っている内容ばかり! BPS(Bio-Psycho-Social)モデルはEngelが1980年に提唱したもの・・・、とは知っていたがそれ以上に深めることはなく臨床に使用してました。 Engelは精神科医だと思っていたが、内科医だったんですね。内科医として、"Science"(1977)と"Am J Psychiatry"(1980)にBPSに関する論文を掲載したんですね。 この本、Engelの生い立ちやBPSを取り巻く理論やevidenceが載ってて勉強になりました。 おまけに技法編はメディカル・ファミリー・セラピー(家族療法)やメディカル・ナラティブ・プラクティス、Bio-Psycho-Social-Spiritual(BPSS)インタビューの技法まで紹介されている! プライマリケアにおけるBPSアプローチについてもわざわざ1章さいてくれていて、日本PC連合学会のHPからACCCCについて引用もされている。 この本、家庭医なら読んでおくと勉強になると思います!BPSから派生した他の学びが深まるにちがいないです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ あとは備忘録に印象に残った文章を。(ここからネタバレ) 「人間を心理生物学的統一体として考えることにより、医師は、患者が持ち込むいかなる問題をも評価し、その他の援助職への紹介も含め、患者が取るべき行為を推薦する責任を負うことになる。それゆえ、医師の職業上の基本的知識や技術は、社会心理学的、および生物学的側面を網羅していなければならない。なぜなら、患者のための医師の決定と行為は、これら三つのすべての領域に絡んでいるからである。」 by Engel(p.44) 「臨床に携わる者ならば、患者の目の前にいる治療者としての己の存在、いや、人としての存在が患者の精神症状の発現に影響することは経験的に知っている。」(p.101) 「医師としての次元、人という次元、ときには地域住民の仲間としての次元を多元的に、時間経過と患者や家族のニーズに呼応しつつ提供しているのである。この点については、医療者のナラティブが影響するわけであり、ナラティブ・メディスンの流れに通じるところである。良医と呼ばれる人たちは、BPSアプローチを意図的に行っているわけではないであろう。時間経過やニーズに合わせた、多元的な治療提供が、相互性や各次元のフィードバックに寄与するのだと思う。多元主義的な立脚点を持つ医師であれば、己の限界も知り、またそのタイミングや時間制を理解し他者と協力し合うことの意味をすでに理解している。そして、自己の理論モデルや技法に執着するのではなく、他のスタッフに対して、「寛容さGenerosity」で対応するであろう。そして、そこに自然に生まれるのが、絵に描いた餅ではない「チーム医療」である。」(p.101)

Posted byブクログ

2015/04/15

とても腑に落ちる内容だった。BPSSインタビュー、やってみたい。ポートフォリオのいい参考文献になるのでは。

Posted byブクログ