アヒルキラー 新米刑事赤羽健吾の絶体絶命 の商品レビュー
出ました! 過去と現在を交錯させつつ伏線はりまくりの衝撃ラスト! 人間関係が複雑に入り乱れ、めまぐるしく展開するストーリーは必見。 しかし相変わらず登場人物はキャラ濃いな。
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確かに分類するならミステリー小説なのかもしれないけど、ミステリー小説というよりは…エンターテイメント小説という印象が強い。 犯人にびっくりはしないし、面白いトリックや伏線があるわけでもない。ミステリーとして評価するなら…ふつう? エンターテイメントとして見れば、ストーリー的には...
確かに分類するならミステリー小説なのかもしれないけど、ミステリー小説というよりは…エンターテイメント小説という印象が強い。 犯人にびっくりはしないし、面白いトリックや伏線があるわけでもない。ミステリーとして評価するなら…ふつう? エンターテイメントとして見れば、ストーリー的にはそこそこおもしろい。 ただ、ここからは完全に個人的な好き嫌いの話なのだけど、あたしは心理学ベースの犯罪の考え方はあまり好きじゃない。 社会学と心理学の違いを大学生に説明するときなどによく言われることではあるのだけれど、この2つの学問分野では事象を説明する様式が決定的に異なる。 大雑把に言えば、心理学は性質や性格といった個人のパーソナリティに原因を求め、社会学は状況や環境といった社会的な条件に原因を求める。 学問名からして、当たり前のことではあるんだけれど。 なので犯罪についても、社会学では、同じ社会に生きていれば、あるいは、同じ状況下にあれば、誰でも犯罪者になりえると考える。 犯罪の原因を罪を犯した人のパーソナリティに帰属させるという心理学的な方法は、犯罪者とそうではない人間を区別して、「犯罪者はそういう素質のある人がなるもの」であって「自分は犯罪者になりえない」と信じたい人にとっては安心感があるかもしれないけれど、やむにやまれぬ事情で罪を犯してしまった人、追い詰められて罪を犯してしまった人に対して全然優しくない。 そして、言い訳や更正の余地を与えない。 下手をすると差別の温床となりえる。 だから好きじゃない。 逆に、犯罪の原因をその人の置かれた状況や環境に帰属する社会学的な方法は、決して個人を責めない。 「罪を憎んで人を憎まず」を地で行く学問だと思う。 そして、社会的な条件さえ変われば人はいくらでも変われると信じることができる。 あたしはこういう社会学のところが好きだなーと思うわけです。 なので、この本の根本的な思想にはまったく同意できないし、したくない。 あ、ただし、プロファイリングは別。 あれは日本では心理学分野に位置づけられることが多いけど、実際はただの統計学なので、興味もあるし、すごく好きです。
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