もぎりよ今夜も有難う の商品レビュー
映画愛がこれほどまであふれながら、一切映画の批評は入らない映画にまつわるおはなし。 はいりさんのエッセイは、俳優さん独特の視点のせいなのか、その地やその時代の雰囲気や匂いがそのまま伝わってきて、読んでるだけでその地に引っ張られる。 そんなに映画を見る方じゃないけれど、いい映画には...
映画愛がこれほどまであふれながら、一切映画の批評は入らない映画にまつわるおはなし。 はいりさんのエッセイは、俳優さん独特の視点のせいなのか、その地やその時代の雰囲気や匂いがそのまま伝わってきて、読んでるだけでその地に引っ張られる。 そんなに映画を見る方じゃないけれど、いい映画にはテレビにはない力があることは分かる。
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単行本で読んだのだけど、文庫版あとがきが読みたくて購入したら、まあ、そのあとがきがすごく良かった!(もちろん、はいりさんの映画愛あふれる本篇がすばらしいのは言うまでもない。)あとがきでは、本の出版後、思いがけないご縁がつながって、映画ファンとして最高の夢が現実となった顛末が綴られ...
単行本で読んだのだけど、文庫版あとがきが読みたくて購入したら、まあ、そのあとがきがすごく良かった!(もちろん、はいりさんの映画愛あふれる本篇がすばらしいのは言うまでもない。)あとがきでは、本の出版後、思いがけないご縁がつながって、映画ファンとして最高の夢が現実となった顛末が綴られている。 「映画館で観たい映画を好き放題かけられる立場に立つには、興業会社に就職するべきか、映画会社にするべきか、真剣に悩んでいたあの頃。あの頃のわたし、やったよ!わたしはあの頃の夢のすべてを手に入れた!」 そう、はいりさんは近所の名画座で「はいりさんセレクション」を上映できるようになったのだ。実にこれは映画ファンの夢だろう。おまけに、時折はやはりもぎりもしているそうだ。単行本を読んだときも思ったが、ふと入った映画館のもぎり嬢が片桐はいりだった!というオドロキを経験した人がうらやましい。 あとがきの終わりの方にこんなくだりもあって、ちょっと切なくもあり、でも、はいりさんらしくすがすがしい思いがした。 「ふた親を送ってからは、身寄りのない人間が行き場にまどう年末年始も映画館で過ごしている。ある年は、キネカの仲間と年越し蕎麦を食べ、お正月は蒲田にお年玉をいただきに行った。こうなるともう、映画館がわたしの実家、と言えなくもない」
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2017.11.29 76 とても面白かった。 映画見たくなった。映画館にも行きたくなった。 感性を磨きたくなった。青春を過ごしたいと思った。
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無類の映画好き、それが高じて七年間も映画館の「もぎり」のアリバイとをしたという著者。映画、映画館への愛情あふれるエピソードのエッセイ集である。 今はシネコンが主流の映画鑑賞であるが、私も映画館で映画を見始めた頃は、入れ替えなし、自由席というのが当たり前の時代だった。女性がひとりで...
無類の映画好き、それが高じて七年間も映画館の「もぎり」のアリバイとをしたという著者。映画、映画館への愛情あふれるエピソードのエッセイ集である。 今はシネコンが主流の映画鑑賞であるが、私も映画館で映画を見始めた頃は、入れ替えなし、自由席というのが当たり前の時代だった。女性がひとりで映画館に入るには少々勇気が必要(痴漢にあう恐れがある)だった。著者はわたしより少し若いが同じような経験を経て、映画を観る立場から映画に出演する、また舞台やテレビに出るという立場になったわけだ。 著者の青春時代観た映画の数々は私のものと重なる部分が多い。ほとんどが洋画であり、なかなか若い女性が邦画を映画館で観るということはなかった。当時を懐かしく思い出しながら読み進めた。 しかしシネコンの出現で映画の見方も作られる映画も激変している。変わって良かった部分も多々あるが、近年のメディアの多様性も影響し、映画自体のあり方が変わってしまったと感じた。
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片桐はいりさんの印象が変わった。 この人、只者では無いぞ (それは見た時から感じてたけど) 映画と映画館に対する愛に溢れている。
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本人曰く、特殊俳優というジャンルの役者さんである、片桐はいりさんの映画館に関するエッセイ。そう、映画に関するエッセイではないのだ。 彼女は私より一世代上だが、彼女の気持ちはよくわかった。おそらく私の母の世代のほうが、青春イコール映画館のような思い出があるのではなかろうか。でも、東...
本人曰く、特殊俳優というジャンルの役者さんである、片桐はいりさんの映画館に関するエッセイ。そう、映画に関するエッセイではないのだ。 彼女は私より一世代上だが、彼女の気持ちはよくわかった。おそらく私の母の世代のほうが、青春イコール映画館のような思い出があるのではなかろうか。でも、東京で青春時代を送らなかった人はあまり共感できないかもしれない。 著者は、映画館出身というほど映画館でアルバイトし、銀座の仲間とともに過ごした人生。全国各地の老舗映画館が次々と消えていくことに心を痛めている。映画雑誌でのエッセイが本になったものだが、いろいろな企画から、各地の映画館を訪ね歩いて、その町と映画館の関係や、そこにまつわる人々をうまく書いてある。 文章が癖がなく、読みやすい。私はテリトリーが新宿だったが、ぴあをめくりながら映画館を探した学生時代を思い出しながら読んだ。
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世代は違えど元銀座界隈の映画館アルバイターとしては懐かしい限りで、笑いあり涙あり。映画と映画館への愛がそうさせるのかそれとも著作3作目ともなると文章も磨かれてくるのか、ウィットがきいていて豆知識もあって本当に面白かったー!はいりさんの目で切り取る世界本当に大好き。映画とお芝居で学...
世代は違えど元銀座界隈の映画館アルバイターとしては懐かしい限りで、笑いあり涙あり。映画と映画館への愛がそうさせるのかそれとも著作3作目ともなると文章も磨かれてくるのか、ウィットがきいていて豆知識もあって本当に面白かったー!はいりさんの目で切り取る世界本当に大好き。映画とお芝居で学ばれたこと、気取らず明るく、まっすぐ優しいお人柄がにじみ出ていて素敵だなって思います。あの褪せない目のキラキラはここからきてるのだなぁと思う。また、本出してくれないかなぁ。いやー、好きだ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
はいりさんの映画愛、映画館愛がひしひしと伝わってくる。「劇場が呼吸をしている」という表現も凄い。映画館のあの重たい扉がばこばこ揺れるほどの人々の笑い声、どよめきをわたしも感じてみたい。 地元の話も出てきて嬉しくなった。 コーラが飲めないから、コーヒーとポップコーンでわたしも映画を観に行きたいと思った。
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原田マホ『キネマの神様』の文庫版の解説を執筆されているにを読んで、本書を購入。片桐はいりさんが、「キネマ旬報」に連載されて映画館にまつわるエッセイ集。ウイットも効き、ユーモアも交え、秀逸な文章。
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片桐はいりさんが映画タイトルに因んだテーマで もぎり時代の体験や 旅先での映画館を訪れたエッセイを集めた1冊。 埼玉の深谷シネマ、長野の相生座、キネカ大森などの映画館も出てきて ニコニコしながら読みました︎☺︎
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