緑の光線 の商品レビュー
エリック・ロメールの『緑の光線』(1986)が大好きで、たまたま図書館で同じ題名の本を見つけたので読んでみた。表紙は不思議な色の光沢で彩られていて、素敵な装丁。作者が『海底二万里』などで有名なジュール・ヴェルヌなので驚いた。読む内の少しずつ引き込まれて行って面白い作品だった。
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ヴェルヌにしては珍しい(?)恋愛物。 恋愛物としては平凡ですが、脇役の、学者先生の描写が光る。 この学者先生、理系男子あるあるな人。 物知りなところを見せているのかもしれないけど、小難しい話ばっかりで全然おもしろくない。女の人はそういうトークには興味がないってことがわからないとい...
ヴェルヌにしては珍しい(?)恋愛物。 恋愛物としては平凡ですが、脇役の、学者先生の描写が光る。 この学者先生、理系男子あるあるな人。 物知りなところを見せているのかもしれないけど、小難しい話ばっかりで全然おもしろくない。女の人はそういうトークには興味がないってことがわからないという男の人は現代にもいる。間の悪い登場の仕方といい、モテない男の典型として、100年たっても変わらない、普遍性があるということに感心してしまいました。 同時収録は『メキシコの悲劇』。簡単に言うと復讐物。ヴェルヌっぽい冒険的なワクワク感はないに等しく、コメディテイストもなし。まだヴェルヌらしさを発揮する前の、若い頃の作品ってことで習作だと思えば悪くない。他の作品に比べると見劣りするのは否定できない。
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SF作品だと思っていたら、恋愛もの。意外でした。こういう作品も書いていたのですね。でも流石は天才ジュール・ヴェルヌ。「海の波動におよぼす魚の尾ひれの影響はいかに?...」は、もうカオス理論でしょ。舞台がフランスじゃなくてスコットランドなのも驚いた。荒れ狂う海や、石柱、さまざまな海...
SF作品だと思っていたら、恋愛もの。意外でした。こういう作品も書いていたのですね。でも流石は天才ジュール・ヴェルヌ。「海の波動におよぼす魚の尾ひれの影響はいかに?...」は、もうカオス理論でしょ。舞台がフランスじゃなくてスコットランドなのも驚いた。荒れ狂う海や、石柱、さまざまな海鳥などの描写は本当に良く現地を取材したのだなと関心させられた。2編目のメキシコを舞台とした作品は24歳のときのものと知り、さらにびっくり。当時情報が限られていた時代にこれだけの取材をしたのだから、やはり大したものです。
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