兎の眼 の商品レビュー

灰谷健次郎(著者)

2023/04/09

大学を出たばかりの新任の小谷先生。受け持った一年生のクラスには口をきこうとしない鉄三がいる。心を開かない鉄三に打ちのめされる小谷先生。でも鉄三のおじいさんや同僚の先生たち、そして学校の子どもたちとふれ合う中で、苦しみながらも鉄三と徐々に向き合っていく。子どもと本気で付き合おうと思ったらこっちも本気でいかないと無理だ。親や家族を含めてどこまで向き合えるものなのか。先生っていうのは大変な職業だ。職業っていうよりも一人間として。今の時代はそこまで求められないかもしれないが、それでも子どもの側にいる大人としてその存在は薬にも毒にもなるから。特に苦しんでいる子に対しては。本気で付き合うとか何かできるとか言葉では簡単に言えても本当はすごくすごく難しいね。

2012/05/05

小説としては、視点が定まっていないこともあるし、不安定な作品かもしれない。しかし、人間と人間がぶつかりあい、理解しあっていく姿を描いた作品という意味では、とても心を揺さぶる作品である。「人との関わり」に悩んだときに、繰り返し読みたい。

2011/09/26

子供の頃読んで、とてもいい本だった
という記憶があったのでもう一度読んでみた。
これは、名作。
読みだしたら、次々に思い出した。
小谷先生、足立先生、バクじいさん、
そして子供たちが本当にいい味を出している。
心が温まる本、読み直してよかった！！

2011/05/16

小谷先生という新米教師が体当たりで生徒と交流する中で、先生も生徒も少しずつかわっていき、また周りをも巻き込んでいくお話です。物事の本質を見ることの大切さが伝わってきます。根気よく向き合うことで生徒と先生がわかりあっていくさまに感動します。
繰り返しよみたい作品です。