忍土 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
前半の何篇かがとても好きで、文章に惚れた。平明な言葉で綴られていながら、一語一語に大切な気持ちが込められている。このような文章は己と向き合ったすえにやっと現れるのだとおもう。話の先を知らないのにもかかわらず、次の一文を読んでいったときにもっとも知りたく、読みたい一文を読ませてくれる。小説としてこんなにも美しいことがあろうか。 こちらの読み方の問題かもしれないが中盤から後半にかけて文章と読んでいる私の気持ちが離れた感覚がある。だが改めて物凄いところを土俵にして闘っている作家だとおもう。
Posted by
- 1