おねだり熟女 の商品レビュー
大いなる母性とショタコンに溢れた愛情物語
最近の「黒本」としては珍しく非相姦ながら、主人公が憧れる友人の母と隣の熟女という人気(?)のヒロインを配置した作品である。何より溢れんばかりの母性とショタコン気味な想いで高校生主人公をこれでもか!と愛でる作風が特徴であろう。 【由梨】以前から主人公をいろいろと気にかけている...
最近の「黒本」としては珍しく非相姦ながら、主人公が憧れる友人の母と隣の熟女という人気(?)のヒロインを配置した作品である。何より溢れんばかりの母性とショタコン気味な想いで高校生主人公をこれでもか!と愛でる作風が特徴であろう。 【由梨】以前から主人公をいろいろと気にかけている34歳の隣人妻。 【咲子】亡くなった友人の母ながら主人公が憧憬と愛情を傾けている37歳。 奔放で派手な印象の由梨に対して清楚で奥ゆかしい咲子という2人ヒロインは王道中の王道。この安定感によってスムーズに物語へと没頭でき、由梨との関係性や主人公への想い、逆に咲子へと向けられた主人公の秘めた想いなどがすっと入ってくる良さがある。そう、「切なさ」をテーマに掲げる作者にあって本作は、想いを寄せるも通じ切らない由梨の切なさと、咲子への想いが通じ切らない主人公の切なさ、そして亡息の友人に想いを告げられて困惑する咲子の切なさが渾然一体となる物語なのである。 話の筋立てとしては、由梨の頑張りが目立つ。自分が咲子よりも早く出会っていればと悔やむ一方で主人公と咲子との仲を取り持つキューピッドの役目も最後は担う。いわゆる「報われない対抗ヒロイン」ではあるが、前半ではしっかり出番があり、最後の最後にもちゃっかりご相伴に預かれるところは旗振り役でもあった由梨に作者が報いたのかもしれない。余談だが、主人公に対しては「由梨さん」と自称するために台詞では時々主人公と混同しそうなことがあった。 その由梨の奮闘に反して今回は主人公の幼さというか、思慮の浅さが少し目立った気もする。咲子との約束を反故にして関係を結ぶところなどは、若気の至りで却って現実味はあるものの、むしろ一時期の「黒本」誘惑系作品で見られたヘタレ主人公に似たものを感じた。ただ、押しに弱い咲子が困惑しながらも次第に昂ぶってしまう官能美は出ていた。
DSK
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