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怪談 の商品レビュー

3.6

20件のお客様レビュー

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2017/11/09

ひさしぶりの小池真理子さん。 きれのいい文章は読みやすく、 失意に落ちた女性の心理描写が上手いなと思う 作家さんの1人です。 この作品は、 ●岬へ ●座敷 ●幸福の家 ●同居人 ●カーディガン ●ぬばたまの ●還る 以上7作品からなるホラーの短編集でした。 どの作品も、この世の...

ひさしぶりの小池真理子さん。 きれのいい文章は読みやすく、 失意に落ちた女性の心理描写が上手いなと思う 作家さんの1人です。 この作品は、 ●岬へ ●座敷 ●幸福の家 ●同居人 ●カーディガン ●ぬばたまの ●還る 以上7作品からなるホラーの短編集でした。 どの作品も、この世のものではない者がでてくるのですが、 世の中を憎んで人に害を与える怖い者ではありません。 どの話も、 いとしい人を残して心残りな者、 伝えたいことを伝えられなくてもどかしい者、など 登場するのは、 この世に小さな未練を持つ者たちばかり。 私が特に気に入ったのは「幸福の家」です。 医者の娘として何不自由なく暮らしている小夜子は、 ある日散歩の途中で妻に死に別れた老人と出会います。 なにかひかれるものがあり、小夜子は、 それから毎日公園で、老人とのおしゃべりを続けます。 小夜子の話は自分の幸せな家族の話が多かったのですが、 ある日突然老人が「もう会えない」と言いだして・・・。 この作品、誰が霊なのか、 ラストにならなければわからないようになっています。 あっと思うようなストーリー展開だけに 読後感はたまらなく切ないものを感じました。 他の作品も同様に、 どこかしら憎めない霊たちが出てきます。 怖いだけではない、 切なく美しい愛も感じる短編集でした。

Posted byブクログ

2014/12/02

小池さんは恋愛小説の旗手だと思っていたら、 怪談ものも書いていると最近知った。 「ぬばたまの」と「カーディガン」がよかった。 いかにもなトリックがある短編よりも味わいが深くて。 理屈が通用しない世界だから、 説明しきれない部分があって当たり前という気がする。

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2014/11/24

怖がらせようという意図はまったくなく、怖いものの気配を淡々と描いた、作者らしい上品な短編集。 ホラーというと刺激的、短絡的な作品も多いが、これは生者の延長上にごく自然に死者がいて、両者の境目が曖昧になった幻想的な世界が繰り広げられる。 読後、もし身近な存在の人が亡くなったあと自分...

怖がらせようという意図はまったくなく、怖いものの気配を淡々と描いた、作者らしい上品な短編集。 ホラーというと刺激的、短絡的な作品も多いが、これは生者の延長上にごく自然に死者がいて、両者の境目が曖昧になった幻想的な世界が繰り広げられる。 読後、もし身近な存在の人が亡くなったあと自分の側に現れたとしても、きっと恐怖感はないのだろうなと、思えてきた。

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2014/11/01

2014.10.30読了結末に合理的な説明を要求すると、この作品は読めないというあとがき通りの作品。親しいひとの死を乗り越える過程の辛い気持ちが描かれている作品もあり、涙が出た。

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2014/10/25

怪談というタイトルから期待させるようなおどろおどろしさや恐怖はなく、むしろ物悲しささえ感じられ、作者の死生観を覗かせる作品群だった。

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2014/10/19

タイトルからもっとホラー要素多めの作品かと思っていたが、各話のラスト近くになって薄ら寒くなる程度。 読んでいる最中ではなく真相に近いオチが分かってからじわっと怖さがでてくる作品群でした。

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2014/09/28

幻想怪奇小説集。 もっと暑い時期に読むべきか? と思ったけれど、おどろおどろしいというわけではないので、夏にこだわる必要なし。 怪奇というより幻想の趣の方が強い感じか。 静かにそっとちょっぴりゾッとする。 少し前にだんなに 「あなたに先立たれたら寂しいわ」 という話しをしていた...

幻想怪奇小説集。 もっと暑い時期に読むべきか? と思ったけれど、おどろおどろしいというわけではないので、夏にこだわる必要なし。 怪奇というより幻想の趣の方が強い感じか。 静かにそっとちょっぴりゾッとする。 少し前にだんなに 「あなたに先立たれたら寂しいわ」 という話しをしていたら、 「大丈夫、毎晩枕元に立ってあげるから」 と言われ 「それも怖いわ。毎晩とかいらん」 と返事したところだった。 時間とか場所が決まっていれば、それなりに受け入れられるかもしれないが、予期せぬときに突然出てこられてもビックリが勝るので心臓に悪いわ。

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2014/09/20

短編集なので、いろんなパターンのゾクゾクを 感じられていい。 幽霊やお化けよりも 結局、人間が一番怖いということだな。

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2014/09/12

生者と死者の境界を、淡くゆるやかに描いた怪談短編集。ホラーといえばホラーだし、怖いというのもあるにはあるけど。どちらかといえば、どこかしらあたたかな哀しみを感じさせる作品が多いです。 お気に入りは「幸福の家」。なんとも哀しみに満ちていた一作。穏やかで優しさも感じられるだけに、この...

生者と死者の境界を、淡くゆるやかに描いた怪談短編集。ホラーといえばホラーだし、怖いというのもあるにはあるけど。どちらかといえば、どこかしらあたたかな哀しみを感じさせる作品が多いです。 お気に入りは「幸福の家」。なんとも哀しみに満ちていた一作。穏やかで優しさも感じられるだけに、この真相はあまりに哀しすぎて印象的でした。

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2014/09/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『怪談』というタイトルのとおり、霊的なものを扱った7作品が収録をされた短編集。霊というものは存在するか、しないかで賛否両論が分かれるが私自身は見えるので存在すると思っている。この作品にもそのような部分が取り上げられている。『岬へ』『座敷』『幸福の家』がお気に入り。読書嫌いの母もこの作品が気になるようだ。本編を読んだあとにあとがきを読むといろいろな感情が込み上げてきた。今夏に約20年一緒に暮らしてきたカメ2匹が相次いで天国へ旅立った。死者があってのこの世界なのかもしれない。死を悲しむのはやめよう。

Posted byブクログ