性の進化論 の商品レビュー
かなりボリュームがあるので、飛ばしながら拾い読み。 それでも面白かった。 男性器の形状や仕組み、精子競争に関する記述が一番面白かったかも。 排卵期の一人の女性に対して複数の男性が集まるのが身体の仕組み的にはよくできてるのかな?
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「人類の本性に合っているのは、一夫一妻ではなく乱交である。」 本書を荒っぽく要約するとこうなる。 このことが、 ・農耕を開始するまで狩猟採集民であった人類の生活様式(ここでは、食料や性などあらゆるものについての「平等主義」があった。乱交こそが、環境に適応し、生存確率を高める上で...
「人類の本性に合っているのは、一夫一妻ではなく乱交である。」 本書を荒っぽく要約するとこうなる。 このことが、 ・農耕を開始するまで狩猟採集民であった人類の生活様式(ここでは、食料や性などあらゆるものについての「平等主義」があった。乱交こそが、環境に適応し、生存確率を高める上で最善の手段であった。) ・人類に最も近縁な霊長類ボノボの性行動 ・世界各地の少数民族に見られる生活様式 ・現生人類の(他の霊長類と比べて)巨大なペニスや睾丸、膨らんだ乳房などの身体的特徴 といった多数の証拠に基づいて説得的に述べられる。 ホッブズが前提としていた、原始において「闘争状態」であったという人類像は、ホッブズが生きていた当時の荒廃したヨーロッパの世相というバイアスによるものであり、実際の先史の狩猟採集民たちは、これと相反して、性行動としては乱交を基本とした、平等で平和な暮らしをしていた。 農耕を採り入れてから、人類の生活は(嫉妬、紛争、戦争、病気の発生などいろいろな意味で悪しき方向へ)大転換した。 「一夫一妻こそが至上」というのは、農耕開始以降、人為的に生み出された「文化的」産物である。 これまで数多の宗教、思想、道徳、政治etc.が、禁欲や貞節などを説いてきたが、結局、どれも人間の本性を根本的に変えるには至っていない。 人類にとって望ましい生き方や性行動とはどんなものか? 本書は、その問いを考えるきっかけを与えてくれる。 非常にエキサイティングな一冊。
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「人間という種は本質として一夫一妻である」という通説 に対して、そうではなく、ボノボ的な乱婚の状態こそが 人間の本来の姿であるとする説を主張し、大いに物議を 醸した本。この本を読んだ限り著者の主張はすんなりと 腑に落ちるし、少なくとも真面目に取り上げて研究するに 値する説だと思う...
「人間という種は本質として一夫一妻である」という通説 に対して、そうではなく、ボノボ的な乱婚の状態こそが 人間の本来の姿であるとする説を主張し、大いに物議を 醸した本。この本を読んだ限り著者の主張はすんなりと 腑に落ちるし、少なくとも真面目に取り上げて研究するに 値する説だと思うのだが、この本は「通説」に対する攻撃 が必要以上に繰り返される印象で損をしている気がする。 もっとも欧米ではそれくらい「通説」が科学的にという よりは倫理的精神的に強固な砦を築いているということ なのかもしれない。 我々は狩猟生活には戻れはしないのだから、人間の本質を しっかりと正しく捉えてそれに基づいた生活を送るという ことは重要なことであろう。もちろん乱痴気な生活を 薦めているわけではない(笑)。
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農耕は貧困を生み出した 人類は本質的に残忍だったというのは間違い セックスをコミニケーションツールとして活用する愛と平和の人類のいとこボノボ 乱婚型狩猟採集民 果物もたくさんあるし、魚もいっぱいいる、小鳥もいっぱいいるから、幸せで満足している 結婚も乱婚型。 誰もが父親で...
農耕は貧困を生み出した 人類は本質的に残忍だったというのは間違い セックスをコミニケーションツールとして活用する愛と平和の人類のいとこボノボ 乱婚型狩猟採集民 果物もたくさんあるし、魚もいっぱいいる、小鳥もいっぱいいるから、幸せで満足している 結婚も乱婚型。 誰もが父親であり、誰もが母親 人類は、昔は乱婚だったから(部族によってはいまも)、ゴリラとかよりも雄の睾丸が大きい 乱婚だから部族内のほぼ全員がセックスするため、精子競争が活発ということ 精子競争を示唆するような映像や画像を見て射精する場合の方が、単に女三人が露骨な格好をしているものを見て射精するよりも、精液に含まれる精子の割合がはるかに大きくなる 他の精子を吸い出すデザインとピストン運動、チンパンジーやボノボより頻度は少ないが多量の射精、一夫多妻や一夫一妻の必要程度をはるかに超えた睾丸の大きさとリビドー、一夫多妻や一夫一妻システムの霊長類には見られないと思われるDNAによって素早く対応できるよう制御された睾丸組織、射精一回あたりの精子数がチンパンジーやボノボよりはるかに多い、外部にぶら下がった傷つきやすい陰嚢という冷蔵庫、女性はスロースタター 母親と子供との間の身体的な絆を妨げない文化、思春期のセクシュアリティの表現を禁じない文化は、暴力が、個人間においても、社会間においても、はるかに低い水準にとどまっているらしい 女性の性行動をコントロールすることへの男性の強迫観念は、人間の本性にもともと備わっているものではなく、農耕とともに出現した経済的な条件への反応 その他豆知識的なもの ⭐️昆虫の種のいくつかでは、卵子をめざすレースに参加するレースにエントリーする精子が100以下だったりする ⭐️ミバエのいくつかの種では、まっすぐに伸ばすと6cmにもなる精子をもつ者がいる ⭐️人間の雄のペニスは特異な形をしており、ピストン運動をすることにより女性の性管を真空状態にし、先立って注入された精子が卵から吸い出される。射精すると頭部は縮み、軸の膨張も失われるので自分の精子は吸い出されない。
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今年読んだ中で、最も面白い本で大変勉強になった。 題名だけ見ると際物ぽいが、内容は極めて真面目。一夫一妻制があたりまえと考えら、そこから倫理観や貞操観が形づけられているが、人類の長い歴史や人間という動物の本質からみると、その考えがいかに偏っているかがよくわかる。 農耕と定住が人類...
今年読んだ中で、最も面白い本で大変勉強になった。 題名だけ見ると際物ぽいが、内容は極めて真面目。一夫一妻制があたりまえと考えら、そこから倫理観や貞操観が形づけられているが、人類の長い歴史や人間という動物の本質からみると、その考えがいかに偏っているかがよくわかる。 農耕と定住が人類の繁栄と進歩を促し、多くの人を養うことができたというのが通説だが、むしろ貧富の差(階級)や闘争を生み出してきたという指摘には、深く頷いてしまった。 一夫一妻制と核家族化の弊害は、少子高齢化社会を迎え顕著になってきているが、ここで立ち止まって、社会のありかたも考え直すべきではないだろうか。 この本は、その際に参考とするのにも最適だと思う。
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