カラフルなぼくら の商品レビュー
トランスジェンダー、ノンバイナリー、インターセックスの子どもたちのナラティブ。「性的指向とジェンダーは関係ない」「自分のジェンダーに疑問を持つと同時に、(性別二元論の)ジェンダーシステムに疑問を持った」..人生の実存から出てくる言葉を読んでほしい。 ナラティブの中で、性暴力被害(...
トランスジェンダー、ノンバイナリー、インターセックスの子どもたちのナラティブ。「性的指向とジェンダーは関係ない」「自分のジェンダーに疑問を持つと同時に、(性別二元論の)ジェンダーシステムに疑問を持った」..人生の実存から出てくる言葉を読んでほしい。 ナラティブの中で、性暴力被害(病院施設の男からエントラップメント型性暴力に遭ったり、恋人に望まぬ性行為をされながら恋人に受け入れてもらうために耐えたり、等)の経験が語られるのはとても重い現実だと思う。トランスジェンダー、LGBTQは、性暴力被害に遭うリスクが高い。その一つの原因には、犯人がLGBTQを人間と思わず好奇の目や侮蔑の目や自分の好きなように矯正できる存在と見なしていることがあると読んで改めて思う。LGBTQへの差別と、性犯罪が、根絶されてほしい。 ※2014年の本。今ではWHOでも削除されている「性同一性障害」という診断名が使われていたり、三人称への不理解など、古いと感じ部分も多々ある。補足を入れて再版してほしい本である。
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LGBTQ、職業柄知っとる気でおったけど、そんなことなかったな。自分は何者なのかっていう葛藤とか、それを大切な人に受け入れてもらえん辛さとか、望む自分でいられる喜びとか、人生を肯定できる幸せとか。ゲイやレズはよく知られとるけど、トランスジェンダーはまだまだ認知(文字通り知って認め...
LGBTQ、職業柄知っとる気でおったけど、そんなことなかったな。自分は何者なのかっていう葛藤とか、それを大切な人に受け入れてもらえん辛さとか、望む自分でいられる喜びとか、人生を肯定できる幸せとか。ゲイやレズはよく知られとるけど、トランスジェンダーはまだまだ認知(文字通り知って認められること)されてないんだね。 自分はそういう思いを受け入れて認めたいのはもちろんだけど、制度やシステム・環境も含めて社会的にも認められる世界であれ!!!
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生まれ持った自らの性別に強い違和感を抱く10代の若者達がアイデンティティの形成に深く食い込むその問題とどう向き合い克服してきたか──ひとりひとり違う物語に触れるほどに清々しく蒙を啓かれる。約4%がトランスジェンダーという統計結果でありながらその8割がカミングアウトできずにいるこの...
生まれ持った自らの性別に強い違和感を抱く10代の若者達がアイデンティティの形成に深く食い込むその問題とどう向き合い克服してきたか──ひとりひとり違う物語に触れるほどに清々しく蒙を啓かれる。約4%がトランスジェンダーという統計結果でありながらその8割がカミングアウトできずにいるこの社会とはなんと息苦しい場所だろう。一人でも多くの人が本書の若い彼らのように前向きに自分の信じる“あるべき性”を肯定して人生を謳歌できる世界を強く願う。
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トランスジェンダーである6人のティーンエイジャーへのインタビュー集。 皆、アメリカ人であるので、置かれた環境が日本とは全然違う。トランスジェンダーの子達へのサポートする仕組みがある。悩みを聞いてくれる相談員がいたり、性別適合のためのホルモン治療の医療費の補助、適合の治療を決める...
トランスジェンダーである6人のティーンエイジャーへのインタビュー集。 皆、アメリカ人であるので、置かれた環境が日本とは全然違う。トランスジェンダーの子達へのサポートする仕組みがある。悩みを聞いてくれる相談員がいたり、性別適合のためのホルモン治療の医療費の補助、適合の治療を決めるまでの、丁寧なカウンセリングプログラム。 トランスジェンダーであることを親に伝えても、親も「あら、そう」という反応をする親もいたり(受け入れられない親もいるが)、兄弟や親戚にLGBTの人がいるから、受け入れてもらいやすかったとか、制度の点や周囲の理解の点からも日本ではこうはいかないだろう…と、思う。 サポートの体制があるとはいえ、6人とも周囲との軋轢に苦しんできた。 この本が誰かの助けになるといいなと思う。
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アメリカで暮らす十代のトランスジェンダー六人へのインタビューをまとめた本。 トランスなのに副題がLGBTなのはなにゆえかと思ったら、TのLとGとB(とI)の子たちの話だった。 語られるのはトランスの話だけど、この子たちが抱える違和感の原因はトランス側ではなく(この本の場合はアメ...
アメリカで暮らす十代のトランスジェンダー六人へのインタビューをまとめた本。 トランスなのに副題がLGBTなのはなにゆえかと思ったら、TのLとGとB(とI)の子たちの話だった。 語られるのはトランスの話だけど、この子たちが抱える違和感の原因はトランス側ではなく(この本の場合はアメリカの)ジェンダー観によるものだろうと思う部分が多々あった。 本人たちはともかく、本としてはそこにつっこむ姿勢がほしい。 MtFのクリスティーナは、見た目が女性になって、男性に食事をおごられることに戸惑ったという。 「男にドアを開けてもらうことや男に道路側を歩かせることにも慣れなきゃいけない」 タイ人のFtM、ジェシーは思春期がきたころ、みんなが「自分をレディみたいに扱う」のにうんざりしたという。 いわく「ドアくらい自分であけられます」。 でも男子としてタイ人のガールフレンドができたとき、アジア的な感覚で男の世話を焼きたがる彼女にもうんざりする。 赤ん坊じゃないんだから、お口にあーんされるなんてまっぴら。(これはタイのジェンダー) こういうのって、トランスだからじゃなくて、シスジェンダーヘテロでもひっかかる人はひっかかる部分だ。 そのうち慣れたりだましだましやっていけるようになる人もいるけれど、なじめないまんまの人もいる。 『あのひととここだけのおしゃべり』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/477831087Xの中に、いきづらさを自覚できた子はフェミニズムにいくって話が出てた。自覚できない子は苦しいよねって。それを思い出した。 親は親で「子供を愛さなければいけない」「理解して受け入れなければいけない」という強い圧力にさらされているように見える。 まだ全然認められないのに「理解ある親」をやろうとすると、子供を「理解できる子供」の枠に押し込もうとしてしまう。 「あるべき姿」が現実をゆがめてしまうのもトランスに限らない。 「母親なら子供を愛して当然」という「常識」が、愛せない母と愛せされない子を余計に苦しめると書いたのは信田さよ子だっけな。 ひどいことを言われたり、無理解にさらされたりするエピソードを見るたびに、私がこの時この子のそばにいたかったと思う。 そうしたら、肯定してあげられたのに。少なくとも否定しない人がいると伝えられたのに。 でも小学生の自分を思い返すといじめる側の子供だった。 そのちょっと後には自力でセクマイ情報にたどりつく程度にはマイノリティ性の高い子だったのに、自覚も知識もないときは自分と違う子を排除する側だった。 知識だけで差別をなくせるわけじゃないけど、知識で減らせる部分も多い。 だからこういう本は大事だ。 訳者後書きに代名詞の苦労が書かれていた。 一人称はどうするか、口調はどうするか、三人称の苦痛をどう伝えるか。 これ難しいだろうなと思いながら読んでいたから、きちんと考えて選んだのだと明言されていてほっとした。 だからp299の「もしかしたら、トランスジェンダーの存在が将来、言語の文法に影響を与えるようなことが起きてくるかもと、ついよけいな心配をしてしまうのである。」という文にいらっとした。 「余計な心配」ってなんだろう。どういう意味で使ったんだろう。 面白いこといったみたいなつもりなんだろうか? それとも真面目にポリティカル・コレクトネス(Msやpolice officerやkey personへの代替)反対の人なの? もしトランスの存在によって言語が誰にでも使える方向にシフトしていくならそれは素敵な未来だ。 代名詞の言語差を考えると、『ウーマン ラブ ウーマン』の日本語字幕がいつも頭に浮かぶ。 極力一人称をさけてきたキャラクターの、避けようもない「私」の破壊力がすごかった。 タイ語の代名詞はどうなんだろう。 いろんな国のニュートラルな言葉を知りたい。
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読んでよかった。私はこの本の中で悩んでいる人たちのように悩んでいる子が周囲にいたら支援してあけだいし、理解して助けたいと強く思った。
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