デッサン・ド・モード 新版 の商品レビュー
ファッションイラストのようなスタイリッシュな絵が描けるようになりたくて、図書館で借りてみた。 1979年刊と古い本で、ファッションの古さは少しあるけれど、人の線や服のドレープ、服をまとった中に垣間見える骨格の美しさはいつの時代も美しい。 著者の思う人間の美は背の高く骨ばった中...
ファッションイラストのようなスタイリッシュな絵が描けるようになりたくて、図書館で借りてみた。 1979年刊と古い本で、ファッションの古さは少しあるけれど、人の線や服のドレープ、服をまとった中に垣間見える骨格の美しさはいつの時代も美しい。 著者の思う人間の美は背の高く骨ばった中性的な人。やっぱり服を着こなすには痩せた人じゃないとだめなのか…。 でも写真をそのまま線画にしても確かにもっさりする感じはあって、見たものそのまま描くのではなく細く長くデフォルメして描く方が様になる。 日本人を描くにしても、頭は小さく手足を大きく描いた方が全体のプロポーションを良く見せる。 よくある教則本だとここは何対何の比率、ここを結んで三角形に、みたいな話があるけど、そういった理論的な話は無し。あくまでも著者の美意識で、現実ではありえないような頭身や長い手足になっている。で、それがファッション画の美しさの肝のように感じられた。 デッサンも、自分が気に入ったり驚くような視点を探す、きっちり完成させるよりもクロッキーでいろんなポーズをとにかく沢山描く、それが上達への道か。 うまく描くコツを探してこの本を読んでみたけど、近道はないんだなー。 着物の人のデッサンもあって、体を動かしたときの着物の美しさにもあらためて気づくことができたり、美しいクロッキーの数々を見て、実物のモデルを描きたくなる本でした。 蛇足。 最近流行りのパリの人の美意識についてもちょっと触れてあって、なんだかタイムリーで面白かった。
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記述はちょっと昔の本だなって感じですが、長沢さん奔放な感性が文章にも表れていて素敵でした。日本においてファッションとはなにか? でも当時より東京においては夜の娯楽っていうのも進歩したんじゃないかしら?市民権を得ているかは別の問題か。カフェは夜閉まってますしね。あっちのカフェ文化とこっちのカフェ文化は違いが大きい気もしますが。 東京という都市がちょっと変わっているのかもしれませんよね、常に人が流入して興隆どころではないのかも。(中国もか) デッサンを模写したりしたけど、本物のモデルで実践を重んじる長沢先生の方針からすると明らかに邪どうですね。まぁ専門に勉強しているわけじゃないし。
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節さん監修というだけで節さんが全部書いてあるわけではないのが残念。 しかし一読の価値はありあり。 とっても勉強になります。
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日本の服飾系イラスト界隈に大きな影響を与えた、故長沢節の本。 のびやかで素早い線による、的確に対象をとらえたクロッキーに惹かれて購入。 美術出版社の新技法シリーズには面白い本がそろっていますが、これも面白いです。 内容的には、「〜入門」や「〜技法」といった教本的なものではなく、「...
日本の服飾系イラスト界隈に大きな影響を与えた、故長沢節の本。 のびやかで素早い線による、的確に対象をとらえたクロッキーに惹かれて購入。 美術出版社の新技法シリーズには面白い本がそろっていますが、これも面白いです。 内容的には、「〜入門」や「〜技法」といった教本的なものではなく、「長沢節」 という人のフィルターを通したモノの見方・哲学を、本人のクロッキーとともに収録している美術思想書。 普遍的な真理と、個人の思想が入り混じっているので、読み手の読解力と美術に関するスタンスが問われると思います。
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