若い藝術家の肖像 の商品レビュー
詳しい注釈が付いているが、よほどの根気が必要、途中で注釈は飛ばすことにしてやっと読み終わる。そうして読んでみると、わたしの知識の無さなのか、なんだごく普通の成長記だなあと思ってしまった。 印象深かったのは、主人公が娼婦通いにはまり、罪の意識に苦しめられ、カトリック教会で神父の説教...
詳しい注釈が付いているが、よほどの根気が必要、途中で注釈は飛ばすことにしてやっと読み終わる。そうして読んでみると、わたしの知識の無さなのか、なんだごく普通の成長記だなあと思ってしまった。 印象深かったのは、主人公が娼婦通いにはまり、罪の意識に苦しめられ、カトリック教会で神父の説教を聴くところがすごい。罪が永遠に許されなくて永劫苦しむ「地獄での永遠の罪」という脅しの描写が圧巻!
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大学で英文学を専攻し、出会えた作品の中で最大の財産。当時はペーパーバックの英文原書に四苦八苦し、丸谷才一訳の新潮文庫に大変お世話になった。 木造の古い教室に、秋の穏やかな夕日が差し込み、スティーブン・ディーダラスの心象風景に陶酔した時間を鮮明に思い出す。卒論もジョイスを選び、英文...
大学で英文学を専攻し、出会えた作品の中で最大の財産。当時はペーパーバックの英文原書に四苦八苦し、丸谷才一訳の新潮文庫に大変お世話になった。 木造の古い教室に、秋の穏やかな夕日が差し込み、スティーブン・ディーダラスの心象風景に陶酔した時間を鮮明に思い出す。卒論もジョイスを選び、英文で論を展開しようとしてできず、泣きながら逃げるように提出した苦い思い出(笑) 20才の時は、ジョイスと映画「いまを生きる」に熱中し、ワインを飲みながら詩を詠み合う恥ずかしいグループを作って、これぞ大学生活だ‼️と勘違いしていた。
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1人の若い藝術家の意識の流れを追った作品 未熟ゆえの迷走だったり時代や社会の見えざる圧力を受けて価値観や使う言葉がアップデートされていく様が面白い。
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評価の難しい本。わからないことは大体注釈があるのは親切。タイトルそのままの若い芸術家の肖像。魂の軌跡ということになると思う。様式こそアイルランドであったりカトリックであったり違うけれど、なんらかに囲まれて生きている人の肖像としては共感できたりもする。祖国、宗教、愛、友、そして芸術...
評価の難しい本。わからないことは大体注釈があるのは親切。タイトルそのままの若い芸術家の肖像。魂の軌跡ということになると思う。様式こそアイルランドであったりカトリックであったり違うけれど、なんらかに囲まれて生きている人の肖像としては共感できたりもする。祖国、宗教、愛、友、そして芸術への眼差し染みわたる共感のようなものがあったと思う。スティーヴン・ディーダラスか!って感じ。
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