コインロッカー・ベイビーズ(下) の商品レビュー
こんなにも映像が浮かんでくる小説は初めてでした。映像よりも映像、そんな感じ。気持ち悪い感覚、どうしようもない感覚、暴力衝動など、登場人物の感覚が五感全体で感じることが出来ました。 ほんとにすごかったです、、
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- ネタバレ
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コインロッカーから生き返ったキクとハシは、幼少期に自閉の傾向が見られたため精神科医の治療を受ける。「自分達が変わったと気づかせてはいけません。世界が変わったのだから。」 東京に出てからの二人は、物理的にも精神的にも一切交わらない。攻撃的なキク、内向的なハシ、高跳びの選手になるキク、歌が上手いハシ、刑務所に送られるキク、トップスターの階段を駆け上るハシ。そして、コインロッカーのように閉塞した東京を破壊したい衝動に突き動かされるキク。密室で聞いた音を捜し、生きている実感を捜しているハシ。 ダチュラによって、ハシが見ず知らずの妊婦に対して攻撃性を露わにする最後のシーン。そのときに聞いた心臓の音。一貫してなんの救いもないような話だったけど、一筋の光を感じさせる最後はすごく尊い。 凄まじい疾走感、凄まじい熱を帯びた作品だった。1972年に生まれた子どもたちの青年期を1980年に書いているので、当時の近未来を描いたということになる。当時起こったコインロッカー乳児置き去り事件も含め、村上龍お得意の皮肉がピリッときいている。生まれる前の社会問題を、ただ知るだけじゃなくて真剣に考えることができるのは小説だけ。やっぱり私は、小説に絶大の信頼を置いている。
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熱い熱い熱い熱い熱い! この小説の熱さに耐えられなかった…。 炎の全力疾走。 そんな感じ。 村上龍もあとがきに書いていた。 全力疾走で42.195キロを走破するような小説を書こうと思った、と。 時代か? 時代が違うからついていけなかったのか? 熱い時代に生まれなかったから…...
熱い熱い熱い熱い熱い! この小説の熱さに耐えられなかった…。 炎の全力疾走。 そんな感じ。 村上龍もあとがきに書いていた。 全力疾走で42.195キロを走破するような小説を書こうと思った、と。 時代か? 時代が違うからついていけなかったのか? 熱い時代に生まれなかったから…。 それとも、おれが今、体調を崩して心身共に弱っている状態だからか? わからない。 とにかく、この小説の登場人物たちのように、しぶとく、泥臭く生きていく自信は、今の僕には、ない。
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ロックバンドの歌のような小説でした。 俺はこの世に必用とされているのか~~?そんな感じです。 ストーリー展開は新鮮なんだけど。
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エウレカセブンのアネモネが好きなので、読んでいてもやっぱりアネモネが一番好きになった。可愛いんだろうなあ
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なんだか読んでいてやたらと疲れた。物語のテンションに飲まれたのか、とにかく疲れた。だから一気に読めなくて、すごく時間がかかった。 こういう行間が少なくて、ぎっしりと内容が詰まってテンションが高い小説を読むのは久しぶり。 比べ方がおかしいかもしれないけれど、例えば京極夏彦の小説は...
なんだか読んでいてやたらと疲れた。物語のテンションに飲まれたのか、とにかく疲れた。だから一気に読めなくて、すごく時間がかかった。 こういう行間が少なくて、ぎっしりと内容が詰まってテンションが高い小説を読むのは久しぶり。 比べ方がおかしいかもしれないけれど、例えば京極夏彦の小説はページ数は多くてもこの手の濃密さは全然ないわけで、その分、すらすらと読める。 濃密な小説世界に付き合うのが面倒くさいと感じる自分自身の心境の変化に少し驚いた。この本は10代とか20代前半で読んでおいた方が良かったのかもしれない。
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上巻を読み始めてすぐ、 下手に手を出さない方が良かったと思わせられた作品。 意地で最後まで読みましたが。 しかし…やはり過度な破壊衝動を描くものは苦手です。 多分、もう二度と読まないでしょう。 余計なトラウマも残してくれました。
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上巻の衝撃的な終わりからの続き。淡々と進むストーリー、決して読みやすいとは言えない文体、難解な漢字、だが主人公2人の心の傷、成長してもなお幼少期の記憶を引きずり続ける2人。なんとなく心に残る本だった。
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上巻と比べて、登場人物達の立場や在り方がガラッと変わったように思えた。 ただ大筋としては上巻と変わらず、過激に突き進んでいく。 「静」の描写はほとんど無く、常に「動」でストレスフルな文章だと感じた。 読むと疲れるし、読後は現実世界に帰ってくるのに少し時間を要したが、 それだけ影響...
上巻と比べて、登場人物達の立場や在り方がガラッと変わったように思えた。 ただ大筋としては上巻と変わらず、過激に突き進んでいく。 「静」の描写はほとんど無く、常に「動」でストレスフルな文章だと感じた。 読むと疲れるし、読後は現実世界に帰ってくるのに少し時間を要したが、 それだけ影響の大きい作品だった。
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