随筆集 一私小説書きの独語 の商品レビュー
女体に対する思いは灼けつけんばかりのものがあった。一日も早くマラを然るべきところに突き込む行為を成し遂げたくてジリジリとしていた。著者は最も学歴重視の風潮が昂まっていた時代の中卒。進学しないことを知ったクラスの皆から既に人生の落伍者と嗤われる。せめてものこととして女体ぐらいは進学...
女体に対する思いは灼けつけんばかりのものがあった。一日も早くマラを然るべきところに突き込む行為を成し遂げたくてジリジリとしていた。著者は最も学歴重視の風潮が昂まっていた時代の中卒。進学しないことを知ったクラスの皆から既に人生の落伍者と嗤われる。せめてものこととして女体ぐらいは進学した同級生よりも早く知りたかった。買淫を急いた理由はこの一心。弱冠15歳の決断が当時は矜持の立脚点となり著者を支えた。本作は私小説で脚色した部分と事実とを比較できる趣向となっている。筋も結末も分かっていながら読ませてしまう筆力にただただ驚懼。
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