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ファンダメンタル認知言語学 の商品レビュー

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2020/04/12

日英比較しながら認知言語学の基礎を学ぶのに適した入門書。とても平易に書かれているので読みやすく、各章ごとに参考文献が載っているのがとてもよい。

Posted byブクログ

2018/03/16

認知言語学に関して英語(+一部日本語)を題材として非常にわかりやすく簡潔にまとめた入門教科書。 門外漢にとってもすんなり理解できる程度に纏められており、教養を得る目的で読むのに適当であろうと思われた。 「認知」と付く分野なので他の認知科学系分野などと同様にもっとシステム学的、情...

認知言語学に関して英語(+一部日本語)を題材として非常にわかりやすく簡潔にまとめた入門教科書。 門外漢にとってもすんなり理解できる程度に纏められており、教養を得る目的で読むのに適当であろうと思われた。 「認知」と付く分野なので他の認知科学系分野などと同様にもっとシステム学的、情報処理的観点が持ち込まれているのかと思いきや、ふつうの「言語学」としてまとめられている他の書籍と似たような内容に終止しているように感じられ、「これが認知言語学のやり方だ!」といった学問領域的な定義付けを上手く感じ取る事が出来なかった。 これがそもそもの「認知言語学」という分野が以前未定義な進歩的領域であるが故の曖昧さなのか、はたまた、本書が簡潔に記述し過ぎたことによって一学問分野としてのエッジが効いた部分が削り落とされてしまっているのか、無学な私には判断しかねる

Posted byブクログ

2016/02/04

 認知言語学の基本的な考え方を、様々な例を通して紹介した入門書。大学の半期授業で使えるテキスト用として書かれたらしく、全15章の章末には「練習問題」や「レポート課題」がついている。また各章に「読書案内」もついており、入門レベルから基礎・中級レベルへと移行する足掛けが用意されている...

 認知言語学の基本的な考え方を、様々な例を通して紹介した入門書。大学の半期授業で使えるテキスト用として書かれたらしく、全15章の章末には「練習問題」や「レポート課題」がついている。また各章に「読書案内」もついており、入門レベルから基礎・中級レベルへと移行する足掛けが用意されている。さらに、「英語学関係の授業の教科書として使われることを念頭におき、本書は英語の言語現象を中心に扱っている」(p.iv)というのが大きな特徴で、認知言語学の勉強を通して英語そのものの勉強にもなる。  ひつじ書房の「ファンダメンタルシリーズ」は、これまで「英語学」、「英文法」、「英語史」のどれも読みやすくて分かりやすいし面白い、という印象を持っていたが、この「認知言語学」も、とても面白いものだった。第1章ではヒトがどう世界を認知するかということを中心に、世界が<意味>として立ち現われるということが述べられているが、そこではダニの生態の話から始まり、生物の「環世界」というものが紹介される。いかに生物は「自己の周囲の環境に意味を与えることによって主体的にそれぞれの世界を構築している」(p.3)かということについて、「読書案内」では2冊の生物関係の本が紹介されるところなど、面白いと思った。「意味」についての話で、coastとshoreの違い、landとgroundの違い、などは英語そのものの勉強にもなる。leaveの「残す」と「去る」の2つの意味を、メトニミーによる意味変化として説明(p.70)することも面白いし、earに「穂」の意味がある(p.77)こと、"What's the occasion?"(p.91)というclicheも恥ずかしいけど知らなかった。というように、他にも英語好きのツボを刺激するポイントが盛りだくさんで全てを挙げることができないけれど、とても楽しい。日英対照の話で、日本語話者は「状況の内部にいて自分でビデオカメラ片手に撮影する」(p.171)というのは、まるでNHKの「世界ふれあい街歩き」みたいだなと思った。それに対して「状況の外部から他者が撮影する」(同)のが英語らしいから、それに対応するようなテレビ番組があったら面白いのにな、とか考えていた。  ことばの面白さを考えたい時、英語好きのツボを刺激されたい時には大いにおすすめできる本。(16/02/04)

Posted byブクログ