一分で読むブッダの教え の商品レビュー
スマナサーラ長老による法話を、わかりやすくまとめたもの。 長老の本は、何を読んでも頭にスッと入ってきますが、コンパクトにまとまったものを読み返すとまた理解が深まります。 「一話一分」の量となっているため、ぱらぱらと気まぐれにページをめくり、開いたところから読めるため、持ち歩いた...
スマナサーラ長老による法話を、わかりやすくまとめたもの。 長老の本は、何を読んでも頭にスッと入ってきますが、コンパクトにまとまったものを読み返すとまた理解が深まります。 「一話一分」の量となっているため、ぱらぱらと気まぐれにページをめくり、開いたところから読めるため、持ち歩いたり、細切れ時間に読むのに向いています。 年寄りが「昔は良かった」と言うのは、昔が実際に良かったというわけではないとのこと。単に昔が、もはや変わらないことだからだそうです。 彼らは、変化していく現状に不満を持ち、変わらないことを望んでいるわけです。 人は、精神的にも肉体的にも健康であれば、無常や変化に対応できる柔軟性があるものの、弱くなると、何も変わらないことを期待するようになるのだそう。 無常に耐えられうようにと師は説きます。 無理そうに思いますが、つらいことも苦しいことも含めてありのままに物事を見ると、いいところだけを見ようと無理を重ねてストレスがたまるという心の悪循環が壊れるため、事実を否定しないことが大事なのだとか。 これはまさに仏教の精神修行と合致します。 ありのままを全て認めること、無常に対応すること。 どちらもクリアできれば、たしかに日常の憂いは減りそうです。 最低限、自分の意志をコントロールできないと、人は感情に負けてしまい、不幸になってしまうもの。 それを避けようとしてガチガチに心を鍛えようとするのは逆効果で、力を抜いて気楽な気持ちで生きるのがよいとまとめています。 改めて読み返すと、師の語ることは的確だと再認識します。 師の言葉は、時には辛辣ながら、決して厳しく突き放すものではありません。明るい人柄が言葉を通じて伝わってくるため、読んだ後に元気が出る気がします。 励ましの一冊のように感じました。
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