『ボヴァリー夫人』論 の商品レビュー
著者は、「老年の作品」というものの、もともとフローベールの研究者で、70年代から「ボヴァリー夫人」について、いろいろな論文を書いていて、本の企画が生まれてから30年かかって出てきたこの本は、やっぱ、「普通」に「ライフワーク」と呼ばれるものなんだろうな〜。 30年間、出る出るとい...
著者は、「老年の作品」というものの、もともとフローベールの研究者で、70年代から「ボヴァリー夫人」について、いろいろな論文を書いていて、本の企画が生まれてから30年かかって出てきたこの本は、やっぱ、「普通」に「ライフワーク」と呼ばれるものなんだろうな〜。 30年間、出る出るといわれながら、出てこなかった「「ボヴァリー夫人」論」がついにでるということで、あらためて「ボヴァリー夫人」を読み直して、やる気満々で出版をまっていたのだが、800ページを超える本の重さと、作品をすでに「精読」していることを前提としているような本格的な「論考」に恐れをなして、一旦、積読に。。。 そのまま、5年間。 そして、最近、なぜか、この本が、積読の山のなかから、目にとまり、読み始め、2週間くらいをかけて、なんとか読了。 と、本と関係のないことばかりを書いているが、これは、かなりすごい本である。 おそらく、この本を読むと、「ボヴァリー夫人」は、もうそのようにしか読めなくなってしまうであろう。 なので、内容については、紹介しない。 「ボヴァリー夫人」を読まずに、この本を最後まで読み通すことができる人はいないだろう、と思うものの、この本の最初の数ページを読むだけであっても、まずは「ボヴァリー夫人」を読むべきだと思う。 この本に書いてあることがわからないからというわけではなくて、「普通」に「小説」を読んでわかった気になっていたことが、この本のページをめくるたびに、つぎつぎにひっくり返るから。 その驚きを純粋に味わうのが、この本を読む一番の面白さ。 分厚いだけでなく、極めて濃縮度の高い本だな〜。
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フローベール『ボヴァリー夫人』を詳細に論述した1冊。 『エンマ・ボヴァリー』という記述は、実は本編中に1度も出て来ない……ということから始まり、脚や馬、靴、等々、作中に登場するモチーフを取り上げて詳細に考察している、まさに大著。 それにしても、物理的な厚さと持った時の重さには...
フローベール『ボヴァリー夫人』を詳細に論述した1冊。 『エンマ・ボヴァリー』という記述は、実は本編中に1度も出て来ない……ということから始まり、脚や馬、靴、等々、作中に登場するモチーフを取り上げて詳細に考察している、まさに大著。 それにしても、物理的な厚さと持った時の重さには圧倒された。寝転んで読む習慣の人間には辛いw
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