ガニメデ支配 の商品レビュー
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訳が分からな過ぎてしんどい。一応ストーリーの整合性はあるのだが、俯瞰で見るとなんでそうなってるのか意味がわからない。「バーナード嬢」の神林の言う通りというか…未訳のままだったのにはそれなりの理由があるんだな。 (あらすじ)ワーム型のガニメデ人が地球を支配していて、黒人のパーシィXが率いる反乱軍がテネシー山中で活動している。その近くの大地主ガス・スヴェンズガードはガニメデ軍に取り入って地球での実権を得ようとしており、ガニメデ軍の支援を受けてパーシィX軍と戦っている。 パーシィの元恋人のジョーン氷芦は最初ガニメデからのスパイとしてパーシィの元に来るが、その後仲間になる。また、精神学者のポール・リヴァーズも仲間になり、パーシィは彼の開発した幻覚発生器を手に入れた。 一方ガニメデ側にいる精神学者のガルバーニは人間を洗脳して精神を破壊する技術を開発。氷芦はガニメデ側に捕まり、その実験台にされる。しかしその結果、精神崩壊というより何か悟った感じに。その後パーシィたちが氷芦を奪還。またガルバーニは氷芦の実験によって、死が最大の救済だと悟り、それを論文にして出版社に送った後、自殺。 一方パーシィは幻覚兵器でスヴェンズガード軍に打撃を与えるが、副作用で自軍の兵士たちの大多数が離反してしまう。 ガニメデ人の地球総督メキスは、もともとガニメデでの権力闘争に負け、左遷のような形で地球に来たのだが、地球の文化に徐々に愛着を持つようになる。またガルバーニの理論にのめり込む。 一方ガニメデで地球政策の総指揮をとるコリ元帥は、反乱の長期化を受けて、大気圏外に太陽光を遮るミサイルを撃って地球の気候を変え、現生生物を死滅させてから無傷で地球を手に入れるという作戦を考案、実行に移そうとしていた。 パーシィは幻覚兵器を再び作動させてガニメデ人の共意識を攻撃し、壊滅させる。しかし同時に人類の意識も一時一体化してしまうが、氷芦だけがその影響を受けていなかった。リヴァーズは幻覚の中で氷芦の精神に入り込み、氷芦を操って幻覚兵器のスイッチを切ることに成功。なお、パーシィとリヴァーズは、幻覚兵器をめぐって無意識に格闘しており、パーシィはそれにより死亡。 平和になった世界で、スヴェンズガードは地球征服の野望に向けて、ひとまずNY(だったかな?)のテレビ局に出演を打診し、世界に向けて演説を行った。しかし頭の中で彼を嘲るパーシィの声が聞こえ、またその声に操られて変なことを喋ってしまう。その演説は大失敗だったものの、リヴァーズやその同僚の精神学者たちは、彼を政治的に利用することを密かに企んでいた。 (感想続き)オチが!全くわからん!演説を世界中の人々がバカにしたというくだり、もしやガニメデ人による征服の認識がなくなっている(記憶が消えているor全部幻覚だった?)のかなと思ったが、そういう伏線もなかったし…でも失言はそんなに大した内容ではなかったような…わからん。精神学者たちが彼を利用しようとしているのもよくわからん。そもそも途中のストーリーも全体的に意味不明だったし、不条理ものならそれはそれで良いのだが、不条理ものなのかどうかもいまいちわからないし、不条理ものでも、世界観とか全体の雰囲気が良いと心に残るのだが、この作品はそれもない…
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今から50年位前の作品の訳なので、仕方ないかもしれないけど、なんだかお子ちゃまのアニメレベル以下・・・
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期待度が高かった割にはがっかり。 異星人地球征服後の反乱軍の抵抗を描く。 反攻は成功して異星人は撤退するのだが、その武器がなんとも形容しがたい。 幻視兵器で五感を混乱させるのだが描写がマンガチック。 ゴジラやキングコングまで出てくる。 最後は異星人の占領司令官の一人が地球の精神分...
期待度が高かった割にはがっかり。 異星人地球征服後の反乱軍の抵抗を描く。 反攻は成功して異星人は撤退するのだが、その武器がなんとも形容しがたい。 幻視兵器で五感を混乱させるのだが描写がマンガチック。 ゴジラやキングコングまで出てくる。 最後は異星人の占領司令官の一人が地球の精神分析学にかぶれたおかげで共有意識を持つ異星人は全滅。 なんだか後期ウルトラセブンの没原稿を読んでいるようでした。(読んだこと無いけど)
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ディック節炸裂だが なんだがスッキリしない作品。テレパシーとか幻想を生む兵器とか。おもしろくない。
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1967年にこれが書かれていたというのがオドロキ。80年代に書かれたニューロマンサーのモリイの感覚情報をケイスが知覚するというアイデアを既に先取りしていたとは! 共著のレイ・ネルスンは、映画『ゼイリブ』(ジョン・カーペンター監督)の原作となった小説『朝の八時』を書いた人物というの...
1967年にこれが書かれていたというのがオドロキ。80年代に書かれたニューロマンサーのモリイの感覚情報をケイスが知覚するというアイデアを既に先取りしていたとは! 共著のレイ・ネルスンは、映画『ゼイリブ』(ジョン・カーペンター監督)の原作となった小説『朝の八時』を書いた人物というのも興味深い。 イケてる二人のサイケデリック・ジェットコースター的作品。
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共著ではあるけれど、まだ翻訳されていなかったディックの長編があったんですね。 読み始めると果たして期待を裏切らず、はちゃめちゃでサイケデリックでガジェット満載なディックの世界は健在でした。ディックの最高傑作の頂きには至らないけれど、じゅうぶん納得できる作品です。 地球を支配し...
共著ではあるけれど、まだ翻訳されていなかったディックの長編があったんですね。 読み始めると果たして期待を裏切らず、はちゃめちゃでサイケデリックでガジェット満載なディックの世界は健在でした。ディックの最高傑作の頂きには至らないけれど、じゅうぶん納得できる作品です。 地球を支配している芋虫みたいなガニメデの異星人が、戦闘機のプラモデルにハマったり、英国国教会に改宗したり、地球の精神医学に魅せられたりしているのは何だかかわいい。 あと、ヒロインのジョーンは日系人という設定だけど、氷芦(ひあし)っていう姓は珍しいですね。そんな名前あるかな、とためしに検索してみると、けっこうたくさんヒットしたので驚きました。 (THE GANYMEDE TAKEOVER by Philip K. Dick & Ray Nelson 1967)
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ずいぶん前のディック未訳リストかなにかで、ディック本人が気晴らしのジョーク小説だと言い放ったうえに、レイ・ネルソン(「朝の八時」!)との共著だったことから、おそらく未訳のまま残るであろうと予言された…ような記憶があるけど、夢だったかもしれん。とはいえ、本人お墨付きのぶっ飛んだパルプSFは、まったく予想外の大団円も、終わってみれば納得の力技に大満足。思わぬ箇所で「ゴジラ」も特別出演。怒涛の大風呂敷に気持ちよく包まれたいディック好きなら必読の書。あとがきのネルソン小話も楽しい。
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