経営企画部が日本企業をダメにする の商品レビュー
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経営企画部門の従事者にとっては一読の価値がある部分は認めるが、高評価できる内容ではなかった。 担当者は具体性のある科学的根拠に基づいて、確たる思想を持って事業企画を行うべし、として、担当者 が持つべき3つのアイテムとして「マップ(業界などの俯瞰図を元にした針路図のイメージ)」「オプション(事業成功のための複数の選択肢)」「ディテール(成功のための詳細分析と手段)」を挙げている。 ここだけみると、腹落ちはする。 そして、科学的論拠と思想を持った事業企画の成功例として、ゴルフダイジェストオンラインの例を示している。 この事例は興味深く、示唆に富む内容で、話としても面白かった。 ただし、引っ掛かる点もある。それは、ゴルフ市場の人口減による市場縮小は8%、国の財政破綻による縮小は10%と予測して、ゴルフ業界が懸念する市場の大縮小を否定しているくだり。8%と10%の算出過程を省いているので、論拠が弱く信頼しきれない。ここを示さないと、戦略の妥当性の説明がつかないし、筆者の言う「科学的根拠」を正しく導くやり方がわからない。多くの人が知りたいのはそこであり、多くのひとが間違うのもそこなのだ。知りたければコンサル料払え、そんな甘くはない、ってことだろうが、読み手としての消化不良感は否めない。 また、企業内の事業企画担当者はビジョンを語る必要は無い、と言っているが、「思想」は必要と説いている。ビジョン=思想では? 全体として余計な話も多く、ゴルフダイジェストのくだりは実績自慢の香りが強いと感じたのは私だけだろうか? 大枠としては参考になる話だったが、具体なアクションに繋がる実用性はあまりない。
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経営企画部が事業における素人であることは全くその通り。たとえエリート集団だったとしても、ビジネスで成功できるかどうかという点では疑問であることは指摘の通りだろう。また、アクティブシニアの疑問も確かによくある光景。 しかし、著者の言っていることや著者のコンサルとしてのスタンスもまた、疑問もあって…。指摘は正しいがそれに対する処方箋や主張はあまり見るべきものはない。何だかそれこそ経営企画部的、批評家的な感じもしたのだが。
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p267 この変化の中で重要な役割を果たすのは、現場のモチベーションを上げるよう働きかけるマネージャーと、要求定義を効果的に更新することができる要求定義のプロである。人心を掌握する役割と業務を規定する役割の双方が重要になるが、両者の機能は分離してしまうだろう。
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