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縄-JOH- の商品レビュー

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極上の今風官能劇画絵巻

あとがきでは『官能って難しい』とこぼしているが、「何を仰いますやら」とお返ししたい極上の官能劇画が編み出されていると断言したい。その設定やストーリー展開は悉く桃色煩悩琴線に触れるものであり、湿り気と仄暗さのある結末は凌辱寄りな読み切りとして妥当な落としどころであろう。そして、これ...

あとがきでは『官能って難しい』とこぼしているが、「何を仰いますやら」とお返ししたい極上の官能劇画が編み出されていると断言したい。その設定やストーリー展開は悉く桃色煩悩琴線に触れるものであり、湿り気と仄暗さのある結末は凌辱寄りな読み切りとして妥当な落としどころであろう。そして、これらを美麗な作画が後押しする。 好みを除けば非の打ち所がないと言うしかなく、何よりこの作者のこれまでの路線からすれば大きなチャレンジかと思われるところが早くも官能的大輪の花を咲かせているといった驚きもある。その意味においても意義のある作品だと言えよう。1話が50~52頁という大ボリュームで、時には時間経過も巧みに盛り込んだ奥行きのある全4話が並んでいる。 【初 夜】 虜 - 家庭教師の先生と生徒の母 【第二夜】 罠 - 生徒の母とその夫 最初の2話はトータル102頁の前後編。秘密を知ってしまった先生が迫るいやらしさと、それに抗い切れず溺れてしまう生徒の母が時間をかけて描かれた後で、2人の関係を知った夫が寝取られ嫉妬に燃え狂って覚醒するのだが、その豹変振りには若干の違和感があり、妻(生徒の母)の疼きにも結末とのズレを感じなくはないものの、悶々とした劣情の連鎖が素敵な淫猥さで描かれている。 【第三夜】 蜜 - 住職と未亡人 確かに未亡人が接する機会の多い男の1人は住職だよな~、住職と未亡人はやっぱり鉄板の設定なんだな~、などと思わせる王道の淫靡が、むしろ王道のセンターラインをしっかり突き進んだことで醸される背徳が滲み出ている。あまりにも美しい未亡人に懸想してしまう住職は1人ではないのである。 【最終夜】 玩 - かつての教師と教え子(今は人妻) 落ちぶれた塾講師が高校教師の頃に浸った秘密に再会という形で再開してしまうところで、これを知った夫が最後にスパイスを効かせている。タイトルにある『縄』を最もストレートに活用している話であり、縛られた女体の美しさを感じる描写でもある。 基本的には似通った女性像ながら、髪型はもちろんのこと、顔の細かな輪郭や瞳の描き方でヒロインの性格や気の強さといった違いが出ており、似ていながらしっかり別人になっているのはさすがの画力。細身ながらメリハリのあるプロポーションも印象的で、むしろすっと立っている姿に品のある色気を感じたりするのは却って艶めかしく、本作に漂う妖艶な世界観を如実に彩っている作画と言える。シリーズ第2弾となる『縛‐baku‐』への期待も高まる。

DSK