沖縄戦と心の傷 の商品レビュー
ケンブリッジ大学で開かれた「島の戦争研究会」によると、本土の防衛のために島が戦争の前線や捨て石になる事例はけっこう多いらしい。 著者の精神科医の人は、2013年から福島県相馬市のメンタルクリニックで院長をやっている人みたいで、東日本大震災についてもけっこう書いてあった。戦争と...
ケンブリッジ大学で開かれた「島の戦争研究会」によると、本土の防衛のために島が戦争の前線や捨て石になる事例はけっこう多いらしい。 著者の精神科医の人は、2013年から福島県相馬市のメンタルクリニックで院長をやっている人みたいで、東日本大震災についてもけっこう書いてあった。戦争と災害のストレスやPTSDや影響の共通点とか。
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遅ればせながら読了。PTSD、災害時のトラウマについては話題になるが、戦時のトラウマについては聞いたことがない。被爆者のトラウマについては報告はあるが数は少ない。戦時のトラウマを語ることは我が国ではタブーなのか、他の理由があるのか。著者の報告はすでにETVなどでも報告されているが...
遅ればせながら読了。PTSD、災害時のトラウマについては話題になるが、戦時のトラウマについては聞いたことがない。被爆者のトラウマについては報告はあるが数は少ない。戦時のトラウマを語ることは我が国ではタブーなのか、他の理由があるのか。著者の報告はすでにETVなどでも報告されているが、著書では、沖縄の歴史を戦前からの状況も踏まえて理解した上での戦後の問題の考察。その流れの上でのトラウマの理解は一定説得力がある。トラウマによる症状は非定型な形をとる。しかし、それが誘因になっているのかどうかは、その視点を持ってみなければわからないだろう。著者の意見はあくまでも仮説と思うが、意味のある仮説であると思う。歴史的な戦いが繰り広げられている沖縄の今だからこそ読んで価値のある一冊と思った。
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