又三郎 熟成肉と荒井世津子 の商品レビュー

西田陽子(著者)

2021/12/07

1.熟成肉という言葉に興味を持ったので、読んでみました。

2.荒井世津子さんが焼肉店「又三郎」の経営者として、また熟成肉を普及させた発祥者としてどのような歩みを辿ってきたのかが描かれています。
この方は兄からお店を受け継ぎ、十数年営んできました。素人からの始まりだったため、クレーム対応の毎日ですが、従業員と徹底的に向き合うこと、熟成肉という切り札を完成させたことで、繁盛店へなっていきました。
彼女が必死に向き合ってきた人生が描かれております。

3.涙なしでは読めませんでした。家族が亡くなってしまい、自分がお店を継ぐというのはよく出てくる物語です。しかし、荒井さんの場合は女性で、1人で闘ってきたということに感動してます。昔は「女だから家に」という風潮が強いので、働いてる女性は敬遠されてました。ただ、そんなことは関係なく、自分のお店を通して、お客さんを笑顔にすることに徹してきました。
今は、本やネットの情報で全てを知ったように思うことが多くなりました。そのため、感性が失われてきてます。色々な場所やモノに触れることが感性を高めていく唯一の方法だと思ってます。彼女のように、積極的に外に出て、五感を働かせることは今の若い世代の私たちには必要なのだと強く感じました。