明治の怪談実話 ヴィンテージ・コレクション の商品レビュー
昔ながらの仏教説話·因果応報の色が濃い百物語から、現代の実話怪談にも通じる「得体のしれない」怪異目撃談、女性もののホラー漫画にありそうな「人に聞いたおまじないを試してみたら…」怪談などなど、いろんな味わいの怪談が楽しめた。 雰囲気が満点なのは伊藤櫻州「実歴怪談」。怪異自体は地味?...
昔ながらの仏教説話·因果応報の色が濃い百物語から、現代の実話怪談にも通じる「得体のしれない」怪異目撃談、女性もののホラー漫画にありそうな「人に聞いたおまじないを試してみたら…」怪談などなど、いろんな味わいの怪談が楽しめた。 雰囲気が満点なのは伊藤櫻州「実歴怪談」。怪異自体は地味?だが、それまでの場の空気や雰囲気の描き方がなんか陰鬱で良い。 礒萍水の「新百物語」は文学作品。あとがきを読むと、もっとこの作者の本が読みたくなる。 まだ江戸も遠くない明治という時代。 場所や因縁、幽霊の服装まで、なんとも味わい深い。 怪しい雪洞の光に浮かぶのは、矢筈絣の振り袖、帯は矢の字結び、文金高島は少し歪んで前に髪が垂れて…という幽霊は、やはり和装が日常だった時代ならでは。 こういう幽霊でしか、得られない栄養はたしかにある。
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なにせ明治の文章・語句だから読むのに四苦八苦、遅々として進まず苦戦したぜ。怪談実話なんだけど、なんか昔話みたいに人を呪わば穴二つ、因果応報、自業自得的な説教臭いロジカルな話がほとんど。現在の実話系怪談のような、何も悪いことしていないのに何でこんな目に遭わなきゃならないの的な怖さは...
なにせ明治の文章・語句だから読むのに四苦八苦、遅々として進まず苦戦したぜ。怪談実話なんだけど、なんか昔話みたいに人を呪わば穴二つ、因果応報、自業自得的な説教臭いロジカルな話がほとんど。現在の実話系怪談のような、何も悪いことしていないのに何でこんな目に遭わなきゃならないの的な怖さは殆ど見当たらなかった。時代の変遷による影響なんだろうか。。。解説の、明治の人も維新後はバカにされていた怪談が実は大好きだった件にはニヤついてしまった。怖がりだけど、怖い話大好き!
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明治時代の実話系怪談話を収録した一冊。全百話収録の「百物語ドキュメント本」である『幽霊一百題』。よく出来た創作幽霊小説ではない、飾り気のない話の数々が実話っぽくて面白い。 まだ江戸の空気がそれほど遠くなかった時代の(それこそ、この時代の百物語を語ってる人の中には江戸時代生まれの人...
明治時代の実話系怪談話を収録した一冊。全百話収録の「百物語ドキュメント本」である『幽霊一百題』。よく出来た創作幽霊小説ではない、飾り気のない話の数々が実話っぽくて面白い。 まだ江戸の空気がそれほど遠くなかった時代の(それこそ、この時代の百物語を語ってる人の中には江戸時代生まれの人も多々いたでしょうし)、妖怪変化の類より、やはり因果応報系の祟り(幽霊)モノのお話が多かったですね。 江見水蔭の掌編も一つ収録されてます。
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