新訂 英文解釈考 の商品レビュー
よく英文解釈書の最高峰であると言われるが、納得の内容。英語を英語のままで、母語のように細かなニュアンスまで分かるようになるのには、一度は本書のような書物で学ばなければならないと感じる。 ある英文学者の本を読んでいて、英英辞典で意味を調べるようにしたら、英語の力が飛躍的に伸び...
よく英文解釈書の最高峰であると言われるが、納得の内容。英語を英語のままで、母語のように細かなニュアンスまで分かるようになるのには、一度は本書のような書物で学ばなければならないと感じる。 ある英文学者の本を読んでいて、英英辞典で意味を調べるようにしたら、英語の力が飛躍的に伸びたとあったが、それを実感できる。英英辞典と言っても、学習者用のそれではない。OEDである。 まだ、ページ数では半分くらいにしか達していないが、本書を読了したらどんな世界が見えるようになるのかと思うと、胸が高鳴るばかりである。 近くのジュンク堂書店では、大学受験参考書の棚に2冊並んでいたが、余程の実力者で英語以外に力を入れる必要がない者でなければ手を出しても、挫折してしまうだけではないだろうか。 逆に英文科の学生にはオススメだ。 例えば、前置詞の意味を解説した、126ページでは、 afterの用法の一つを次のように解説している。 次の例では、subsequent to and notwithstanding ( OED)である。 After all his entreaties, I gave him a flat refusal, his wicked design being too evident to admit of any doubt. 三拝九拝されたけれど彼にキッパリいやだと言った。その悪企みがあまりにも明白で疑を容れる余地がなかったからだ。admit (of) : lie open to, be capable of(OED) entreaties 以外は見慣れた単語ばかりだが、一見しただけですぐには意味が取れないのではないだろうか。 この本を読むと、英文解釈力はもとより自分の日本語での表現力も高められるように思う。 最後に星を一つ減らした理由を述べておこう。それは、本書の他のページを参照するように書かれている箇所を開いても、なかなかそのページのどこを見たら良いのか分からない場合があるためである。
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