評伝 吉村昭 の商品レビュー
これを読んでいたら、吉村作品を再読したいと思ってきました。 それぞれの作品(特に歴史・記録もの)の独特の文体により読者をその中に引きこませる技はすばらしいです。 また、資料を元にした緻密な世界観も他の作家にはなかなか感じることのできないものです。 なかなか陽の当たらない人物を主人...
これを読んでいたら、吉村作品を再読したいと思ってきました。 それぞれの作品(特に歴史・記録もの)の独特の文体により読者をその中に引きこませる技はすばらしいです。 また、資料を元にした緻密な世界観も他の作家にはなかなか感じることのできないものです。 なかなか陽の当たらない人物を主人公をしていることが多く、 歴史の中で翻弄される人々のドラマにもスポットを当てているのが興味深いです。 吉村氏の亡くなられた後、 同じように読める作家に私はまだ出会えていません。
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ブログに掲載しました。http://boketen.seesaa.net/category/20284667-1.html 全作品を読みこんだ労作。吉村ファンにはうれしい贈り物。 ほとんど愚直なまでに吉村昭の全作品をとりあげ、長編については梗概と読みどころの紹介、短編については重...
ブログに掲載しました。http://boketen.seesaa.net/category/20284667-1.html 全作品を読みこんだ労作。吉村ファンにはうれしい贈り物。 ほとんど愚直なまでに吉村昭の全作品をとりあげ、長編については梗概と読みどころの紹介、短編については重要作品について異例とおもえるほどの長さの引用をして「純文学作家」としての吉村の魅力を伝える。 吉村作品への批評については、文庫の解説をした著名な批評家・作家の文章の一部を引用し、その評に同意するという形をとり、著者自身の新たな視点、独創的な批評といったものは提起されていない。 この本を読むのは吉村昭ファンにきまっており下手な「新解釈」はむだなこと、という著者のいさぎよさを感じる。笹沢の誠実でていねいな全作品解読の作業は、吉村ファンにとってはうれしい贈り物だ。
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