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戦後責任 の商品レビュー

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2件のお客様レビュー

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2026/04/22

本書は、当初雑誌「世界」で2003年1月号~9月号まで掲載された「連続討論 戦後責任」の単行本化として考えられたが、参加者も多岐にわたり出版社の岩波書店では、新たに討論の中心だった内海、田中、大沼の三人の鼎談でまとめたい考え。しかしこの3人は「戦後責任」という思想の準備期から揺籃...

本書は、当初雑誌「世界」で2003年1月号~9月号まで掲載された「連続討論 戦後責任」の単行本化として考えられたが、参加者も多岐にわたり出版社の岩波書店では、新たに討論の中心だった内海、田中、大沼の三人の鼎談でまとめたい考え。しかしこの3人は「戦後責任」という思想の準備期から揺籃期を経て、市民運動にずっと関わってきたので「仲間内の議論」になりかねない。そこで個人的には3人に関係のない歴史学者の加藤陽子氏が司会兼インタビュアーの形で加わった。・・確かに加藤氏は3人の著作と活動をしっかり下準備し、周辺説明もさすがという文面。 戦犯の靖国合祀などの経過がわかった。 メモ 第5章 責任主体としての市民の創造 内海:「戦傷病者戦没者遺族等援護法」は1952年4月30日に公布されて、4月1日にさかのぼって適用すると規定されましたね。4月28日はサンフランシスコ平和条約が発効して日本が独立しましたが、その三日後の5月1日、法務総裁談話が出て戦犯裁判は国内法上の裁判ではないので、巣鴨刑務所に収容されている戦犯はいわゆる国内法上の犯罪人ではないと述べています。あまり知られていないので正確を期すために「法務総裁通知」を引用しておきます。  1950年7月8日の「法務総裁通知」にあった「軍事裁判により刑に処せられた者は、日本の裁判所においてその刑に相当する刑に処せられた者と同等に取扱うべきものとする」という解釈が、1952年5月1日に「この解釈は、もともと総司令部当局の要請に基づいたものであり、平和条約の効力の発生とともに撤回されたものとするのが相当と思料するので、この旨了承の上、貴部内閣関係機関にも徹底せしめられたい」と変わるのです。  日本人戦犯に選挙権が認められ、巣鴨で不在者投票をしている。そして戦犯の「死刑」は「法務死」や「公務死」の扱いになり、翌年からは「援護法」や復活した軍人恩給の対象になっています。そしてBC級と1978年のA級戦犯の靖国合祀ということになっていきます。 2014.6.5第1刷 22014.8.4第2刷 図書館

Posted byブクログ

2015/09/23

なぜ、いま、戦後責任を語るのか、東京裁判、サンフランシスコ平和条約の構造、東西冷戦下での、諸々の諸条約。 そして、1952年4月27までは、日本国民であった戦前の大日本帝国の臣民であった人々が、民事局長通達という行政府の一局長の一片の通達で一夜にして国籍を奪われ、50万人の「外国...

なぜ、いま、戦後責任を語るのか、東京裁判、サンフランシスコ平和条約の構造、東西冷戦下での、諸々の諸条約。 そして、1952年4月27までは、日本国民であった戦前の大日本帝国の臣民であった人々が、民事局長通達という行政府の一局長の一片の通達で一夜にして国籍を奪われ、50万人の「外国人」集団にされてしまったという暴挙。 知らないことがいっぱい書かれています。 国際法の権威であり、多彩な市民運動を展開され、政治家とも信頼関係を結ぶ中で、困難な戦後処理を実践された大沼さん、そして、朝鮮・韓国人問題解決の運動に関わってこられた、内海さん、田中さん、そして司会者の加藤さん。 深く、市民運動に携わってこられたお三人の議論がまとめられた本です。 自分も含め、若い人々にも是非とも読んでほしい一冊でした。

Posted byブクログ