純白光 短歌日記2012 の商品レビュー
2012年の一年間、毎日一首づつ書きつづった短歌の日記。「信号を待つ間見あぐる冬のそら雲の家族もゆるく別れぬ」「制服の男子は霧のにほひしてせつなかつたよ卒業のころ」「娘らが苺のやうであつたころ草いきれしたわたしのからだ」「死に飽きし者らめざむる気配あり花しろじろと降る平泉」「指先...
2012年の一年間、毎日一首づつ書きつづった短歌の日記。「信号を待つ間見あぐる冬のそら雲の家族もゆるく別れぬ」「制服の男子は霧のにほひしてせつなかつたよ卒業のころ」「娘らが苺のやうであつたころ草いきれしたわたしのからだ」「死に飽きし者らめざむる気配あり花しろじろと降る平泉」「指先にサボテンの花噴き出でぬ自分が嫌でたまらないとき」「長椅子でこのまま眠つてはならぬ夜は出歩く長椅子のため」「洪水のバングラデシュを行く人の胸の高さに蛇泳ぎをり」「あの夏と呼ぶべき夏が皆にあり喉うごかして氷みづ飲む」「むかう向きの姑がさかんに話す人われには見えず夕闇の部屋」「真青なるおもひでは秋の草千里 肥後の筒酒のみて遊びき」「一点鐘ぽつんと鳴りてことごとく蟹はみほとけ泥の干潟の」
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