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黄昏のビギンの物語 の商品レビュー

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2023/06/25

佐藤剛の本を読むのは、坂本九の曲の物語を書いた「上を向いて歩こう」に続けて2冊目。本書では、「黄昏のビギン」という曲を扱っている。 「黄昏のビギン」は、坂本九の「上を向いて歩こう」と同じく、作詞が永六輔、作曲が中村八大というコンビによって作られた曲であり、1959年10月に、水原...

佐藤剛の本を読むのは、坂本九の曲の物語を書いた「上を向いて歩こう」に続けて2冊目。本書では、「黄昏のビギン」という曲を扱っている。 「黄昏のビギン」は、坂本九の「上を向いて歩こう」と同じく、作詞が永六輔、作曲が中村八大というコンビによって作られた曲であり、1959年10月に、水原弘の「黒い落葉」という曲のB面として発売されたものである。この曲は、その時点は特に話題になるようなこともなく無名の曲であったが、1991年に発売された、ちあきなおみによる、カヴァー・アルバム「すたんだーど・なんばー」の1曲目に収められ、そして、シングルCDとしても発売される。これもヒットはしなかったが、その後、CMソングに使われたり、映画で使われたり、小説になったりして、徐々に広がっていく。そして、多くのアーティストがカヴァーする曲となった。 カヴァーしているアーティストは、例えば、高橋真梨子、井上陽水、小野リサ、柴咲コウ、中森明菜、薬師丸ひろ子、鈴木雅之、さだまさし、由紀さおり、大橋純子、島津亜矢、柴田淳、岩崎宏美、高岡早紀など、ものすごい数になるし、いずれも錚々たるメンバーである。私も好きな曲であり、私のiPhoneには、井上陽水、柴田淳、岩崎宏美などのバージョンがダウンロードされている。 1959年は60年以上前の話だ。 その時にレコードのB面として世の中に出て、そこから30年以上が経過し、ちあきなおみがカヴァー・アルバムで取り上げ、そこからも徐々に徐々に拡がりを持ちながら、確かに、「スタンダード・ナンバー」と呼んでも差し支えないくらいに育っていった曲である。 そういう意味では、佐藤剛が書いている通り、「奇跡の」曲と呼んでも良いように思う。

Posted byブクログ