吉祥寺バウスシアター映画から船出した映画館 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この街には二種類の人が暮らす。 ひとつはバウスシアターに行ったことのある人、ひとつは行ったことのない人。 なーんて、言い方がされないかと、ちょっと心配(笑) 2014年に惜しまれ閉館した映画館の記録集、記憶集。図書館で貸出があるから、ちゃんとした書籍なのかと思ったら、ムック本タイプだったけど、30年に渡る歴史、思い出がギッシリ詰まった一冊だった。 後ろ半分、途中の数ページも年表だ、POPのコレクションだ、上映スケジュールだと資料がぎっしり。その合間を埋めるように、関係者のエッセイ、対談などが差し挟まれる。 この手のまとめかた、どこかで見たなあ、と思ったら、ファンサイトのホームページとか、そこから派生した自主制作本の類だ。好きなアーティストのBiography、Discographyを並べ、思い出を語り、デビュー当時からの各種メディアへの登場機会を、資料などを参考に年表仕立てにまとめ、一大クロニクルを作り上げる。 なにを隠そう、自分もそんなサイトを作ってたっけ(苦笑) つまり、愛情がないと出来ない作業なんだよね、この手のまとめは。そんな本です。 無くなってしまったものは、もう取り戻せないけど、その存在、過ぎし日々の情熱みたいなものを、紙面を通して、少しでも感じておくのは損ではないかな。 二分されて「行ったことのない」側に分類はされるけど、でも、まるで知らないわけじゃない、ってことで、行ったような気持になれる、、、といいな。
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